リバースモーゲージ

住宅金融支援機構のリバースモーゲージとは?住宅ローンからの借り換えは出来る?

2022年6月14日

リバースモーゲージは、自宅を担保に融資を受ける借り入れの仕組みです。低い固定金利がずっと続くことが魅力の住宅ローン「フラット35」のように、住宅金融支援機構が提携しているリバースモーゲージが「リ・バース60」で、シニアが使える住宅ローンとして知られています。「リ・バース60」の仕組みや金利、返済条件、借り換えに利用できるかなど、詳細を解説します。

住宅金融支援機構のリバースモーゲージ「リ・バース60」とは

住宅金融支援機構とは独立行政法人の一つで、国土交通省と財務省が管轄する政策金融機関です。主な業務として一般に知られているのが住宅ローン支援で、民間金融機関が長期固定金利の住宅ローンを提供できるよう「フラット35」などの住宅ローンプランを開発し、提携を行っています。

その住宅金融支援機構が開発しているリバースモーゲージ型の住宅ローンが「リ・バース60」です。「フラット35」と同様に、民間金融機関と提携してサポートを行っているため、金融機関側も利用者側もより安心してプランを利用することができます。

「リ・バース60」の特徴は、以下の5つです。

シニアからの住宅ローンに使える

「リ・バース60」の対象年齢は60代以降です。金融機関によって若干対象年齢に違いがありますが、若い人向けの商品ではありません。あくまでシニアが住宅ローンを組みたいと考えたときのプランとして使えます。また、収入が年金のみでも申し込むことができます。

建て替えだけでなく住み替えやリフォームにも利用可能

シニアのための住宅ローンというと「家を新しく建て替える時のローンということ?」と捉える人もいるかと思います。もちろん建て替えも対象ですが、住み替えやリフォームにも利用可能です。例えば次のような、シニアならではの事情で利用を行う人がいます。

  • 郊外の一軒家から、利便性のよい都市部のマンションへ
  • 子どもが独立してガランとした大きな家から、夫婦二人の生活のためにダウンサイジング
  • シニア向け新築マンションへの住み替え
  • 子世代と近居となる新築マンションへ住み替え
  • 老後の生活を考え、自宅をバリアフリー化
  • 老朽化したマイホームのリフォーム

毎月の支払いは利息のみ

毎月の支払いは利息のみとなります。返済額が軽めなので、年金しか収入がないなど資金に乏しいシニアであっても大きな負担にならないでしょう。

元金は契約者死亡時に一括で返済

元金は、契約者が亡くなったとき、相続人が家を売却するなどの方法で返済を行います。

リコース型とノンリコース型がある

相続人が家を売却したとき、その売却金だけでは元金が返済できない場合もあります。「リコース型」では、残債を相続人が支払う必要がありますが、「ノンリコース型」では、残債支払いの必要がありません。ただし、ノンリコース型は、リコース型に比べて金利が高くなる傾向があります。

「リ・バース60」と他のリバースモーゲージとの違い

「リ・バース60」のプランを活用して、シニアの住宅ローン商品を展開している金融機関が多くあります。そのような商品については、サイトや説明書のどこかに「●●(商品名)は、住宅金融支援機構の住宅融資保険『リ・バース60』を活用したリバースモーゲージ型住宅ローンです」などと断り書きがあります。実際、「リバースモーゲージ型住宅ローン」と銘打って展開している商品は、多くが「リ・バース60」との提携です。

しかし、各金融機関には、「リバースモーゲージ型住宅ローン」の他に、「リバースモーゲージ」のプランが用意されています。「リ・バース60」に代表されるリバースモーゲージ型住宅ローンと、一般的なリバースモーゲージとでは、使い道に違いがあります。

「リ・バース60」は、住宅ローンの一種なので、融資された資金の使い道は「建て替え」「住み替え」「リフォーム」など、住宅関連に制限されます。例えばリフォームのためにローンを組む場合には、リフォームに必要な資金を具体的に割り出した上で、適正な金額が融資されます。

一方で一般的なリバースモーゲージは、投資や事業の目的でなければ資金の使い道は自由です。住宅ローンの返済に充ててもよいですし、生活資金、旅行のための資金など、老後の生活のために使えます。審査の上で融資限度額が決まれば、限度額に達するまで借り入れができます。

毎月の支払いが利息のみであること、元金は契約者死亡時に一括返金となることは、リバースモーゲージ型の商品共通の仕組みです。また、「対象年齢」「金利」などについては、各金融機関によって違います。

住宅ローンからのリバースモーゲージへの借り換え

住宅ローンからリバースモーゲージへ借り換えすることは可能です。完済時期が定年後になる長期間のローンを組んだ場合、定年後の年金だけでは返済が難しくなることは大いに考えられます。リバースモーゲージ型住宅ローンへ借り換えを行えば、毎月の支払いが利息だけになるため、生活費の大幅カットが叶います。

住宅金融支援機構が行った調査によると、2020年度に借り換え目的で「リ・バース60」を申請したケースは、全体の19.6%を占めました。60代の利用者が半数以上で、やはり定年を迎える頃に借り換えを検討していることがわかります。

参考:【リ・バース60】お申込み事例集(2021年6月現在)

「リ・バース60」へ借り換えを行う場合の主な条件は以下の通りです。

  • 対象住宅は、昭和56年6月1日以後の建築基準法に定める新耐震基準に相当する耐震性を有している住宅であること
  • 申込時に直近12回分の住宅ローン返済が遅滞なく行われていること
  • 住宅ローンの債務者と「リ・バース60」の契約者が、原則として同じであること

住宅ローンからリバースモーゲージへの借り換えをする際の注意点

住宅ローンを「リ・バース60」へ借り換えるときには、次の3点に注意しましょう。

借り換え手数料に注意

「リ・バース60」に限らず、住宅ローンの借り換えを行うときには、金融機関に手数料を支払わなければなりません。新たに別の住宅ローンを組むことに他ならないため、事務手数料や抵当権登記のための手数料などを支払うことになります。数十万円がかかってしまうことも多いため、なかには「元のローンの完済時期を延期してもらった方が安上がり」という人もいるかもしれません。

相続人の了承が必須

通常の住宅ローンでは、完済すれば子世代には何の負担もかからず、親世代が亡くなれば相続財産となります。しかしリバースモーゲージ型住宅ローンに借り換えを行うと、対象住宅は相続人の財産になりません。また、住宅を売却して元金を完済するという手続きを相続人に委ねなければなりません。相続人には、よく話しておきましょう。

ローン残高の総額を借り入れできないこともある

担保となる自宅の評価額によっては、融資してもらえる上限額が、ローン残高に届かない場合もあります。融資上限額は、物件評価額のおおむね50~60%です。契約を検討する際は、査定額によって融資金額が変わる可能性があることを忘れないようにしましょう。

まとめ

老後のために住み替えや建て替え、リフォームを考えている方は、自宅を資産の一部として活用するリバースモーゲージの仕組みを検討してみましょう。自己資金だけで乗り切ろうとするよりも、楽に問題解決できる道がきっと見つかります。

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