リバースモーゲージ

住宅金融支援機構のリバースモーゲージ「リ・バース60」とは?金融機関との違いも解説

2022年6月14日

住宅金融支援機構には「リ・バース60」というリバースモーゲージ型住宅ローンが用意されています。リバースモーゲージとは、高齢者が自宅を担保に融資してもらい、毎月の返済額が利息のみとなる借り入れの仕組みです。元金は、契約者が亡くなってから相続人が家を売却するなどで完済します。「リ・バース60」と、各金融機関が展開しているリバースモーゲージは、どう違うのでしょうか。詳しく解説します。

住宅金融支援機構のリバースモーゲージ「リ・バース60」とは

「リ・バース60」は、住宅ローンの支援等を主な事業とする独立行政法人住宅金融支援機構の商品です。リバースモーゲージの仕組みを使った住宅ローンで、住宅金融支援機構が直接販売するのではなく、提携する金融機関が取り扱い、それぞれ独自のプランにアレンジして展開されています。

住宅金融支援機構の主な目的は、金融機関の支援です。「リ・バース60」では、契約の「保険者」となり、契約者が債務不履行となったとき、金融機関に保険金を支払うことで、金融機関を守ります。

例えば元金の返済時に相続人が債務を一括返済できないとき、機構は残元金相当額を保険金として金融機関に支払います。その後は、機構と相続人の間で契約関係が生じることとなるため、金融機関は安心して「リ・バース60」を展開することができるのです。

「リ・バース60」の特徴は、以下の通りです。

リバースモーゲージの仕組みを利用している

リバースモーゲージの基本的な仕組みを踏襲した上で、住宅ローンにアレンジした商品となっています。リバースモーゲージの基本的な仕組みとは、以下の5つです。

  • 対象年齢は50代後半、あるいは60歳以上のシニア
  • 自宅を担保に融資を受けられる
  • 融資対象となった物件に住み続けられる
  • 毎月の返済額は利息のみ
  • 元金は契約者の死後、相続人が家を売却するなどの方法で一括返済

住宅ローンの一種である

「リ・バース60」は、高齢者が利用できる住宅ローンという立ち位置です。つまり単純な融資ではなく、住宅を建てる、買うなどの目的で借り入れを行うことになります。具体的には、次のような場合です。

  • 新築あるいは中古の家を購入する
  • 高齢者専用マンションに住み替える
  • 家をリフォームしてバリアフリー化する

保証人は不要

住宅金融支援機構が「保険者」となります。

リコース型とノンリコース型がある

元金返済時、相続人が家を売却しても残債がある場合、残債を支払う義務があるのが「リコース型」、義務がないのが「ノンリコース型」です。ノンリコース型の方が、リコー姿よりも金利が高くなる傾向があります。

セカンドハウスも対象になる

セカンドハウスも、融資の対象になります。ただ、対象となったセカンドハウスを賃貸することはできません。

子世帯の住居取得にも使える

契約者の直系卑属(子、孫)が居住する住宅の取得のためにも、「リ・バース60」を使って借り入れを行うことができます。

借り換えができる

今の住宅ローンを「リ・バース60」に借り換えることも可能です。月々の返済額が利息のみなので、生活費の負担が軽減されます。

「リ・バース60」のメリット

「リ・バース60」のメリットは、以下の3つです。

独立行政法人が保険者となってくれる安心感がある

相続人が残債を支払えなくなったときも、住宅金融支援機構が金融機関との間に入って調整してくれるため、金融機関側も契約者側も安心できます。独立行政法人なので、万が一の倒産などの心配もせずに済みます。

高齢になってからでも住宅ローンが組める

50代、60代となると、将来の収入見込み額が少なくなるため、住宅ローンを組みづらくなります。もしローンを組めたとしてもわずかな金額で、新居の取得には届かないかもしれません。「リ・バース60」は高齢者のための住宅ローンなので、年金収入だけでもきちんとローンを組むことが可能です。

「住まい」に関する老後の不安がなくなる

「リ・バース60」は、新築戸建てを購入する人のためだけの住宅ローンではありません。「大きな家から夫婦2人暮らしにちょうどいい家に住み替えたい」「不便な郊外の一軒家から便利な都心のマンションに」「老朽化した我が家をリフォームしたい」「将来を見据えてバリアフリーを」「二世帯住宅に」など、老後の住まいのニーズに合わせた使い方ができます。

「リ・バース60」の注意点

「リ・バース60」で注意しておきたいのが、以下の3点です。

詳細は金融機関によって違う

各金融機関の商品は、基本的な仕組みは「リ・バース60」に即していますが、詳細は異なります。以下の違いに気をつけて選びましょう。

  • 名称

どの金融機関も「リ・バース60」という名称で商品展開しているわけではなく、機関によって名称が違います。

  • 取り扱いエリア

金融機関によって、取り扱いエリアが違います。「この銀行のプランがよいけれど、我が家はエリアから外れている」という可能性もあるので、「リ・バース60」を検討するときは、まずエリアを確認しましょう。

  • 金利

金利は月々の返済額に直結してきます。変動金利、固定金利などタイプによっても金利が違います。

  • 融資限度額

融資限度額が、希望する融資額に届かない可能性もあります。候補となる金融機関には、自宅の評価額査定を行ってもらいましょう。

  • 年齢上限

80歳や84歳を上限年齢としている金融機関があります。

年収に対する返済額の割合に上限がある

年収に占める全ての借り入れにおいて、年間の返済額・支払額の合計額が、以下の場合に限られます。

  • 年収400万円未満・・・30%以下
  • 年収400万円以上・・・35%以下

「全ての借り入れ」とは、「リ・バース60」の他にもローンを組んでいれば、それを含めた全ての金額のことです。

融資手数料がかかる

各金融機関の定めにより、手数料が発生します。事務手数料の他、抵当権設定登録免許税や印紙税等を支払う必要があります。

金融機関のリバースモーゲージとの違い

金融機関によっては、「リ・バース60」をアレンジした商品の他にも、リバースモーゲージの商品を展開しているところがあります。「リ・バース60」と、一般的なリバースモーゲージ商品との違いは、以下の通りです。

借入金の使い道が違う

「リ・バース60」は、これまで紹介してきたとおり、住宅ローンの一種です。よって、融資された資金の使い道は「建て替え」「住み替え」「リフォーム」など、住宅関連に制限されます。

一方で一般的なリバースモーゲージは、資金の使い道は比較的自由とされているため、例えば次のような資金に使うことができます。

  • 毎月の生活費として
  • 夫婦二人の海外旅行費として
  • 子どもへの支援
  • 住宅ローン費用の足しに
  • リフォーム
  • 住み替え
  • 趣味を楽しむ

ただし、一般的なリバースモーゲージでも、投資目的や事業目的では資金を使えません。あくまで生活のための資金と位置づけて使うことになります。

住宅金融支援機構が間に入るか否かが違う

「リ・バース60」は住宅金融支援機構が保険者となりますが、一般的なリバースモーゲージでは、住宅金融支援機構は関与しません。金融機関が指定する民間の保証会社が関与することになります。

まとめ

以上、住宅金融支援機構が展開している「リ・バース60」の特徴や仕組みについて解説しました。一般的なリバースモーゲージとの違いもご説明したので、資金調達を行う際の参考になれば幸いです。「老後からでも住宅ローンを組みたい」「相続する人がいない自宅を資産として活用したい」という場合には、「リ・バース60」やリバースモーゲージを検討しましょう。

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