リバースモーゲージ

リバースモーゲージの推定相続人とは?相続に関するメリットとデメリットを解説

2022年6月14日

リバースモーゲージは、自宅を担保に借入を行い、契約者が亡くなられた後に自宅を売却することで元金を返済するシニア向けの融資です。毎月の返済は利息のみなので、老後資金の調達方法として注目を浴びています。リバースモーゲージは推定相続人の同意が必要となるケースがほとんどですが、相続に関してはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。詳しく解説します。

リバースモーゲージの推定相続人とは

推定相続人とは、「現在はまだ亡くなっていない人が、もしすぐ死亡した場合に、遺産の相続人となる人」のことです。リバースモーゲージの契約をするには、この推定相続人の同意が必要なケースが少なくありません。

では、推定相続人とは、どの範囲の人を指すのでしょうか。それは、実際に相続が発生したときに相続人となる「法定相続人」と同じ範囲です。推定相続人の範囲には、4つの段階があります。この記事では、わかりやすいように、リバースモーゲージの契約者を推定被相続人と仮定して説明します。

段階1:配偶者はいつでも推定相続人となる

リバースモーゲージの契約者に配偶者がいれば、配偶者は第1、2、3順位の人がいるか否かにかかわらず、いつでも推定相続人となります。

段階2:直系卑属(子、孫)が第1順位の推定相続人となる

契約者に子どもがいれば、子どもたちは契約者の配偶者とともに推定相続人となります。配偶者がいない場合には、子どもたちだけが推定相続人となります。なお、子どもがすでに他界している場合には、その子の子ども、契約者から見て孫が推定相続人となります。第1順位の人が存在すれば、第2、3順位の人は、推定相続人にはなりません。

第1順位が不在の場合、直系尊属(父母、祖父母)が第2順位となる

契約者に子や孫がいなければ、契約者の父母が、契約者の配偶者とともに推定相続人となります。父母がいずれもすでに他界し、祖父母がご存命の場合には、祖父母が推定相続人になります。

第1順位、第2順位が不在の場合は兄弟姉妹やその子らが第3順位となる

第1順位、第2順位が不在の場合は、契約者の兄弟姉妹が、契約者の配偶者とともに推定相続人となります。兄弟姉妹がすでに他界している場合には、兄弟姉妹の子ども、契約者から見て甥姪が推定相続人となります。

以上が推定相続人の範囲であり、配偶者も、第3順位までに当てはまる人もいない場合には、推定相続人がいない状態となります。

リバースモーゲージを利用する場合に相続人に伝えること

リバースモーゲージを利用する場合、たとえ推定相続人の同意がいらないとしても、後にトラブルにならないよう、推定相続人には契約について伝えておく必要があります。伝えるのは、以下の3点です。

契約者の自宅は相続できない可能性が高いこと

リバースモーゲージは、契約者が亡くなられた後、空き家となった家を売却することで元金を返済するのが一般的です。よって、契約者の自宅は、原則として相続人が住み継いだり、賃貸物件にしたり、空き家を解体して新しく土地を活用したりすることはできません。

「親が亡くなったら、空き家になる家をどうしよう?」と悩む子世代にとっては助かる契約ですが、必ずしもそう考えている子どもばかりではありません。資産価値が高い家だとしたらなおさらのこと、リバースモーゲージの仕組みについては丁寧に伝えておく必要があります。

契約者が亡くなられた後、元金返済の手続きが発生すること

契約者が亡くなられた後、相続人となった人は、リバースモーゲージの契約を終了させ、また元金返済の手続きを行う必要があります。元金の返済は、契約者の自宅を売却するか、あるいは相続人が手持ちの現金で一括返済するか、どちらかを選べる場合が多いです。

いずれにせよ、相続人は、契約者が亡くなられたら死亡の事実を契約先の金融機関に報告し、以後の手続きを担うことになります。このことを伝えておかないと、契約終了の手続きが滞る恐れがあります。

担保割れした場合の対処方法

相続人が契約者の自宅を売却することで元金を返済しようとしても、売却額が元金の金額に届かないケースがあります。その際、相続人が足りない分を一括返済する義務を負うのが「リコース型」、不足分の返済義務を負わないのが「ノンリコース型」です。どちらのタイプを選んだのか、推定相続人にあらかじめ伝えておく必要があります。

契約者にとっても、推定相続人にとっても、ノンリコース型の方が安心です。しかし、ノンリコース型はリコース型に比べると、金利が高く設定される傾向にあります。タイプによって月々の返済額が左右されるため、契約者は推定相続人と話し合いの上、計画的に借入を行うことが大事です。

相続人がいない場合のリバースモーゲージ

相続人がいない場合でも、リバースモーゲージを利用できる金融機関があります。身寄りがない人は、相続人不在で利用できるリバースモーゲージを探してみましょう。

相続人がいない場合、契約者が亡くなられた後は、金融機関等が相続財産管理人選任の申立を行い、相続財産管理人が売却手続きを担当してくれます。相続人がいない方こそ、亡くなられた後に残される遺産の行方に悩むのではないでしょうか。おひとりさまの終活の一環として、リバースモーゲージは活用できます。

リバースモーゲージの相続人にとってのメリット・デメリット

リバースモーゲージを利用した場合、相続人にとっては、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

メリット

相続人のメリットは、契約者亡き後の空き家問題を、本人が生きているうちから解決できることです。空き家の管理は大変です。定期的に通って風を通さないと家の中にカビが発生してしまい、また虫や害獣の住まいになりかねません。草が茂ったまま放っておけば近隣に迷惑をかけますし、ゴミを放置すると自然発火し火事になる恐れもあります。

空き家を解体するにはそれなりに費用がかかりますし、それなら不動産として活用しようとしても、買い手や借り手を見つけるにも手間がかかります。契約者が亡くなられたら金融機関が自宅の売却について相談にのってくれ、しかも亡くなるまでは変わらず自宅に住めるという保証があるリバースモーゲージは、安心できるシステムです。

デメリット

相続人のデメリットは、メリットのいわば裏返しで、家を相続できなくなってしまうことです。契約者にあまり資産がなく、「財産といえば家だけ」という状態だったとすれば、契約者が亡くなられた後、相続財産は残らないということになります。

「自分が年を取ったら実家に帰って、のんびり田舎暮らしをしよう」などと相続人が思っていたとしたら、リバースモーゲージの話は歓迎できるものではありません。このため、契約者は「相続人は、きっとこの家を相続するつもりはないだろう」などと早合点せず、きちんと話をしておくことが大事です。

まとめ

以上、リバースモーゲージにおける相続人の意味や、相続人から見たリバースモーゲージのメリット、デメリットを解説しました。自宅を担保に借入をする契約者本人は、亡くなられてしまえば自宅の処分や元金の返済に立ち会うことができません。相続人に迷惑がかからないよう、契約前の段階から推定相続人としっかり話し合っておきましょう。

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