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高年齢求職者給付金とは?条件や支給金額、手続き方法をわかりやすく解説

2021年1月10日 (2021年3月27日更新)

「高年齢求職者給付金」という言葉を聞いたことがありますか? 
65歳上の人の「失業保険」といったものです。2017年の雇用保険法の改正により65歳以上の人の雇用保険の新規加入が可能になり、同時に6か月以上の雇用保険加入期間があれば何度でも受け取れるようになった給付金です。65歳を超えて働く人も多くなった今だからこそ、ぜひ知っておいてもらいたい制度です。

高年齢求職者給付金とは

高年齢求職者給付金とは、雇用保険に加入している被保険者が一定の条件を満たすと、失業保険をもらうことができるのと同じように、65歳上の高齢者の被保険者が離職して「失業状態」となった場合にもらえる給付金です。

この給付金を受け取る条件の一つが、失業の状態あること。そして「失業の状態」は、次の4つのポイントをクリアする必要があります。

  1.  就業したいという意思がある
  2.  いつでも就職できる能力がある
  3.  現在は就業できていない
  4.  積極的に休職活動をしている

つまり病気で働くことができないケースや家業を継いでいる場合、定年退職してしばらく休養をしたいと考えている人は、この給付金をもらうことはできません。

また一定以上の被保険者期間が必要になります。
具体的には、離職日以前の1年間に賃金支払いの元になった日が11日以上ある月、それが6ヵ月以上必要なのです。大雑把に言えば、11日以上働いた次が半年以上あれば大丈夫です。

失業の日の翌日から1年間となる「受給期間内」に、失業の状態だとハローワークから認定されれば、被保険者として雇用された期間に応じて、給付金が支給されます。

高年齢求職者給付金と基本手当との違い

ここまでの説明を読んで、通常の失業保険(失業等給付)と何が違うのだろうと思った方もいるのではないでしょうか。

そもそも65歳未満の方の失業保険は「基本手当」と呼ばれます。つまり50歳でも64歳でも同じ制度で給付金が支払われます。一方、高齢者の雇用のセーフティネットとして機能しているのが、高年齢求職者給金です。
「人生100年時代」とも呼ばれる状況で、寿命も延び、元気な高齢者も増えています。しかも少子化による人手不足も深刻度を増すと予想されています。そうした社会状況を踏まえ、2025年4月から65歳定年制がすべての企業の義務にもなります。ただ65歳以上は年金の給付なども受けることができるので、65歳未満の失業者と同じような給付金というわけにはいきません。
そのため基本手当と高年齢求職者給金は、次の2点に大きな違いあります。

年金の受け取り

高年齢求職者給付金は、年金(老齢厚生年金)と一緒に受け取れます。高年齢求職者給付金を受け取っても、年金が減らされるといったこともありません。一方、基本手当の場合は年金と一緒に受け取ることができません。
つまり高年齢求職者給付金は、年金を受け取りながら働いている人にとって、非常に使い勝手のよい給付金です。

給付金額と支給の仕方

基本手当の場合、90日~330日分の日当が28日分ごとに支給されます。
一方で高年齢求職者給付金は、被保険者の期間が1年以上なら50日分、1年未満なら30日分が、一括で支払われます。

通常の失業保険(基本手当)が仕事を見つけるまでのセーフティネットとして制度設計されていますが、高年齢求職者給付金は年金給付も視野に入れた給付金といえます。

高年齢求職者給付金の支給額と計算方法

では、高年齢求職者給付金の支給額はどのように決定されるのでしょうか?

やや複雑ですが順を追って計算していけば難しくないので、自身の支給額も計算してみましょう!

①「賃金日額」の計算

支給額を知るための最初の計算は、「賃金日額」を計算することです。賃金日額とは、離職直前6ヵ月の賃金の1日の単価を指します。
そのための計算式は簡単です。

退職前6ヶ月の給与の総額÷180(6ヵ月×30日)

ただし「賃金日額」は上限額と下限額が以下のように決まっていますので注意してください。
上限額 13,700円
下限額 2,574円

②「基本手当日額」の計算

雇用保険で受給できる1日当たりの金額が「基本手当日額」です。
これは「賃金日額(①で計算した金額)×給付率」で求められます。つまり実際に受け取っていた1日当たりの給与を、割り引いて支給するための計算です。

問題になるのは給付率の計算です。
というのも、給付率は固定されているものと、さらに計算なものとに分かれているからです。

①で計算した「賃金日額」を見てください。

  • 2,574円以上: 5,030円未満 80%
  • 12,390円超:13,700円以下 50%

上記の範囲に「賃金日額」が入っていれば、給付率は50%か80%です。「賃金日額」をかければ、「基本手当日額」が出てきます。

しかしこの範囲に入っていない場合は、「基本手当日額」を出すために次の計算式に数値を当てはめて計算する必要があります。

0.8×賃金日額-0.3×{(賃金日額-5,030)÷7,360}×賃金日額

③「高年齢求職者給付金」の支給額の計算

これは単純です。先に触れた通り、被保険者の期間が以下の2点です。

  • 1年以上なら50日分
  • 1年未満なら30日分

つまり②で求めた「基本手当日額」に50あるいは30をかけてください。

基本手当日額×50日若しくは30日

それでは、実際に計算してみましょう。

実際のケース

  • 雇用保険加入期間1年以上
  • 退職前6ヶ月の給与は月額20万円

①賃金日額

計算式は、退職前6ヶ月の給与の総額÷180(6ヵ月×30日)なので

(20万円×6ヶ月)÷180=6,666円
※1円未満は切り捨て

上限額(13,700円)よりも低く、下限額(2,574円)より高いので、6,666円が賃金日額となります。

②基本手当日額

計算式は、0.8×賃金日額-0.3×{(賃金日額-5,030)÷7,360}×賃金日額 なので

0.8×6,666円-0.3×{(6,666円-5,030)÷7,360}×6,666円=4888円
※1円未満は切り捨て

③高年齢求職者給付金の支給額

雇用保険加入が1年以上なので、
計算式は、基本手当日額×50日なので

4,888円×50日=244,400円

ツマリ24万4400円一括で振り込まれるというわけです。

高年齢求職者給付金の手続き方法

高年齢求職者給付金を受け取るためには、管轄のハローワークに行き、求職を申し込み、離職票を提出する必要があります。これで失業の状態であることが確認されたことになります。この日から7日間を経過しないと給付金は支給されません。
ただし正当な理由なく自己都合で退職したケースや「自己の責めにきすべき重大な理由で解雇されたとき」は、7日間に続いて3ヵ月間(場合によって2ヵ月)は給付されません。

なお、高年齢求職者給付金の受給手続きには、一般的に以下のものが必要になります。

  1.  離職票-1・2
  2.  マイナンバーカード(持っていない人は、住民票など個人番号を確認できる書類と免許書などの身分証明書が必要になります)
  3.  印鑑
  4.  写真(縦3㎝×横2.5㎝)
  5.  本人名義の預金通帳

給付金をもらうためには、離職の日の翌日から1年以内に手続きをする必要があります。退職したら、なるべく早く手続きをしたいですね。

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