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老後の生活費はいくら必要?夫婦と一人暮らしの平均金額と老後資金の準備方法

2021年3月16日 (2021年3月27日更新)

老後の生活には2000万円から3000万円が必要と言われています。かなりの金額なので驚いてしまう人もいることでしょう。「一人暮らしでもそんなにかかるの?」「費用の内訳は?」という疑問もわいてくることと存じます。夫婦二人暮らしと単身者、それぞれ老後に必要なお金とその内訳について解説し、また、投資や年金、保険など、老後資金を準備する方法についてもご紹介します。

老後の生活費に必要なお金

まずは、65歳を定年とし、その先を「老後」として、最低限必要な老後の生活費について説明します。日本人の平均寿命は、女性がおよそ87歳、男性が81歳です。男女の平均寿命は84歳程度となります。つまり、65歳から寿命を迎えるまでの「老後」生活は、およそ20年あるといえます。

老後20年のつつましやかな生活にかかる費用を、夫婦二人暮らし、単身者それぞれについて算出しましょう。

夫婦二人暮らしの老後にかかる最低限の生活費

夫婦二人暮らしの老後生活がうかがえる直近の資料として「令和元年度 生活保障に関する調査」(生命保険文化センター)があります。この調査によると、「夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考えられている最低日常生活費をみると、平均額は月額で22.1万円」となっています。一方、「2019年家計調査報告(家計収支編)」(総務省)によると、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)の一ヶ月の消費支出は23万9947円で、内訳も出されています。2つの資料を参考に、夫婦2人暮らしの老後について、最低限の支出内訳を算出しました。

全体支出:22万1000円
内訳)

  • 食費 6万6000円
  • 住居費 1万2000円
  • 水道光熱費 1万8000円
  • 消耗品費 1万円
  • 保健医療費 1万5000円
  • 被服費 5000円
  • 交通・通信費 2万6000円
  • 教育費 0円
  • 教養・娯楽費 2万3000円
  • 交際費 3万円
  • その他費用 1万6000円

食費にゆとりがあると思われる人もいるかもしれませんが、高齢者は食事を貧しくすると医療費がよけいにかかります。健康であるためには、ある程度の食費を維持するのが大事です。また、子どもが独り立ちしている想定なので教育費はかからないものの、交通・通信費や交際費のボリュームの大きさには、孫との交流や贈答が垣間見えます。

さて、この生活を20年間続けるためには、いくら預貯金が必要なのでしょうか
22万1000円のうち、社会保障給付(夫婦二人平均)は19万9000円です。
つまり毎月2万2000円の赤字が出てしまいます。

2万2000円×12(ヶ月)×20(年)=528万円

かなりつつましやかな生活をしていたとしても、老後は528万円ものお金が必要なのです。2人に許される1ヶ月あたりの教養・娯楽費が2万3000円だったら、海外旅行どころか、国内すら怪しいですね。

単身一人暮らしの老後にかかる最低限の生活費

高齢単身世帯についても、総務省のデータを参照すると、高齢単身無職世帯(60歳以上)の消費支出の平均額はおよそ13万9000円となっており、社会保険給付の平均額は11万5000円ほどです。つつましやかな生活をするとして、社会保険給付の範囲内で内訳を考えてみましょう。

全体支出:10万9000円
内訳)

  • 食費 3万円
  • 住居費 1万円
  • 水道光熱費 1万円
  • 消耗品費 6000円
  • 保健医療費 6000円
  • 被服費 3000円
  • 交通・通信費 1万円
  • 教育費 0円
  • 教養・娯楽費 1万3000円
  • 交際費 1万円
  • その他費用 1万1000円

急な病気や冠婚葬祭に備えることもできないばかりか、持ち家のない人には非現実的な住居費です。税金を払うのも一苦労でしょう。しかし、この金額を超えて出費があるなら、預貯金からの持ち出しとなってしまいます。

ゆとりある老後の生活費

次に、ゆとりある老後の生活費について見ていきましょう。こちらも先に示した生命文化センターのデータを使い、夫婦2人暮らしと単身一人暮らしについて解説します。最低限の日常生活費については上に説明したので、それ以外についてご紹介します。

夫婦二人暮らしのゆとりある老後の生活費

先の生命文化センターのデータによると、「経済的にゆとりのある老後生活を送るための費用として、老後の最低日常生活費以外に必要と考えられている金額の平均は月額で14.0万円」となりました。「老後の最低日常生活費」と「老後のゆとりのための上乗せ額」の合計は、月額で平均36.1万円となります。

では、この上乗せ額の使い道はどのようなものでしょうか。上乗せ額の使途として、具体的な回答は以下の通りです。

  • 旅行やレジャー 60.7%
  • 趣味や教養 51.1%
  • 日常生活費の充実 49.6%
  • 身内との付き合い 48.8%
  • 耐久消費財の買い替え 30.0%
  • 子どもや孫への資金援助 22.4%
  • 隣人や友人との付き合い 15.5%

ゆとりある老後のために、ひと月14万円が必要だとすると、老後の20年間で必要な金額は3360万円にもなります。社会保障費は最低限の生活で使い切ってしまうので、全額を自分たちの資金で賄わければなりません。

単身一人暮らしのゆとりある老後の生活費

単身一人暮らしの場合、ゆとりある老後はどのように考えたらよいのでしょうか。先の総務省の調査によると、単身世帯(平均年齢59.0歳)の消費支出は、1世帯当たり1か月平均16万3781円です。この生活水準を老後も保つとなると、社会保険給付の平均額は11万5000円ほどなので、月に5万円ほどが持ち出しになります。

月に5万円の持ち出しを20年間続けると、1200万円もの資金が必要です。単身者といっても、ずっとシングルで働いてきて、たくさん預貯金がある人ばかりとは限りません。配偶者に先立たれた人や、パートやアルバイトで生活をつないできた人など、資金のない人はつましい暮らしを続けるしかないのでしょうか。

生活費以外で必要な老後資金

生活費以外でも、必要となる老後資金はあります。主な例を挙げて説明します。

介護・医療のための費用

加齢に従って病気のリスクも増えます。介護が必要になる人もいるでしょう。保険内で使えるサービスは安価ですが、それだけではカバーできなくなってくることもあります。

住居のための費用

家が老朽化するとメンテナンスが必要になります。介護が必要になったときなどのために、バリアフリー住宅へリフォームする人もいるでしょう。高齢者用住宅に住み替える際には、頭金が必要になることもあります。

車の買い替え

車を買い替えるときにはまとまったお金が必要です。古い車をいつまでも使っていると、結局は車検料金が割高になるなど、車の維持費にはお金が付きまといます。

子世代への援助

孫の進学や子ども夫婦のマイホーム購入など、子世代の援助をするためには、ある程度のお金が必要になります。いったん独り立ちした子どもであっても、仕事がうまくいかない、離婚したなどの理由で親の家へ戻ってくるケースも考えられます。

老後資金の準備方法

以上のように、ゆとりある老後にはある程度の資産が必要です。シニアになる前に準備をしておけば、安心して生活を送ることができます。老後資金の主な準備方法は、以下の5つです。

財形貯蓄

勤務する会社で財形貯蓄制度を活用できることがあります。給与や賞与から天引して積み立てを行うのが、財形貯蓄です。用途を指定されない一般財形貯蓄、住宅の取得を目的に積み立てる住宅財形貯蓄、老後に年金の形で受け取る年金財形貯蓄があります。

積立定期預金

毎月、普通預金から定期預金へ一定額を積み立てていくのが積立定期預金です。地味な方法ですが、自分で舵取りしやすいところに利便性があります。

個人年金保険

若いうちに保険料を支払い、シニアになったら年金の形で受け取れるのが個人年金保険です。運用の結果が受取額に反映される変額個人年金と、契約した金額がそのまま振り込まれる定額個人年金があります。また、円建てと外貨建てがあります。国が用意した「個人型確定拠出年金(通称iDeCo)」を活用すれば、節税面でメリットがあります。

投資

株式投資や投資信託を利用すると、元本割れのリスクがある反面、余剰資金を活かせます。長期・積立・分散投資が基本の「つみたてNISA」対象商品なら、少ないリスクで老後資金をコツコツ貯められ、税制面でもメリットがあります。

リバースモーゲージ

自宅を担保に借り入れを行い、自分の死後に自宅を売却することで元本を返済する仕組みがリバースモーゲージです。毎月の返済額は利息のみなので、低負担で老後資金を調達できます。特に都市部に持ち家があり、子世代が家を継がないといった事情のある人におすすめです。

リバースモーゲージとは? 仕組みとメリットやリスクなど注意点をわかりやすく解説!

老後の生活費はミドル世代からきっちり準備を

人生100年時代、健康で長生きするためにはお金が必要です。定年後も働けば生活資金は手に入りますが、無理に働けばシニアの体に負担がかかります。今からコツコツ貯めて、また投資や借入などを上手に利用し、楽しいシニアライフを謳歌するための準備を始めましょう。

老後に必要な資金はどれくらい?老後資金の貯め方や今からできる準備方法を説明

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