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早期退職したい場合に必要な資金は?後悔しないために知っておくこと

2021年10月7日

早期退職したいと考えても、「どのくらい資産があれば、働かずに暮らせるのだろう」「老後、生活費はどのくらいあればいい?」と迷い、決断しかねている人も少なくないでしょう。そもそも、セミリタイアのメリットやデメリットは、どんなところにあるのでしょうか。早期退職したい場合に必要な資金や注意点など、退職してから後悔しないために知っておくべきことについて解説します。

早期退職する場合に必要な資金

早期退職する場合、必要な資金の内訳は、次のようなものが考えられます。

  • 早期退職してから寿命を迎えるまでの生活費

日本人の平均寿命は、女性が87.74歳、男性が81.64歳です(2020年)。仮に退職時期を50歳、寿命を90歳とすると、40年もの間、自分や同居家族の暮らしを支えることになります。

「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要」によると、単身世帯(65歳以上の単身無職世帯)の消費支出は13万3,146円で、税金などの非消費支出は1万1541円であり、合計すると14万4687円です。また、高齢夫婦無職世帯(夫婦ともに夫65歳以上、妻60歳以上)の一ヶ月の消費支出は22万4,390円、非消費支出は3万1160円で、合計すると25万5550円です。

「退職者なのだから、老後のような慎ましい暮らしを」と考え、高齢者の平均的な生活を51歳から年金がもらえる65歳までの15年間続けたとすると、生活費として以下のような資金が必要です。

  • 単身者…14万4687円×12ヶ月×15年=2,604万3,660円
  • 夫婦二人世帯…25万5550円×12ヶ月×15年=4,599万9,000円

65歳以上になれば年金がもらえますが、先の調査によれば、高齢単身無職世帯の社会保険給付平均額は月に約12万1000円、夫婦二人世帯では21万9,000円。毎月何万円かの持ち出しが発生し、預金を切り崩さなければなりません。

また、これら家計収支の内訳は主に食費や住居費、水道・光熱費、保険医療費、通信費、娯楽費といったいわゆる生活費となっており、突発的に必要になる費用については触れられていません。持ち家のメンテナンス費、賃貸更新料、高齢者住宅への住み替え費用などには、別にまとまった資金が必要です。

早期退職のメリットとデメリット

膨大な資金が必要となる早期退職。検討するには、メリットとデメリットを引き比べる必要があります。

早期退職のメリット

早期退職のメリットは、以下の3点です。

  • 自由な時間が手に入る

これが唯一、早期退職をした人なら誰でも享受できる、一番のメリットです。毎日通勤電車に揺られることなく、好きなときに好きなだけ旅行へ行くこともできます。また仕事上の付き合いにも振り回されることがありません。

  • 事業開始や再就職などで人生を再スタートできる

退職前からやりたいことがあった人は、退職のタイミングを早めることで、より早く希望の事業をスタートできます。また、若ければ若いほど、再就職の選択肢は広がります。再就職や独立は、早期退職による資金不足の不安から少しでも逃れられるため、精神的にもよいです。

  • 退職金が割増で手に入ることがある

早期退職者を募集している企業の中には、退職金を割り増しで出すことを条件にしているところが多いものです。つまり、早期退職の場合は、定年退職するよりも、多くの退職金をもらえるケースがあります。その金額によっては、当面の生活費を軽くカバーすることができたり、事業資金として使えたりします。

早期退職のデメリット

早期退職のデメリットは、主に以下の3つです。

  • 再就職後、独立後は収入が目減りするリスクが高い

再就職や独立がうまくいくとは限りません。転職後、半数弱の人が転職前より10%以上収入をダウンさせているというデータもあります。中高年層から新しい分野の仕事にトライするとなればなおさら、収入は下がる見込みが大きいでしょう。また、起業・独立は夢を叶えるという大きなやりがいがあるものの、大きい事業であるほど博打になります。

  • シニアに比べて年金・税金負担が高い

早期退職をすると、その後すぐには年金収入がないどころか、高齢者よりも年金・税金負担が高いため、より生活が苦しく感じられるでしょう。60歳まで年金保険料を、65歳まで介護保険料を納付し続ける必要があります。

  • 年金受給額が少なくなる恐れがある

早期退職して預貯金が目減りし、「もう、早めに年金を受給するしかない」と決断したとします。通常、年金受給は65歳からできますが、希望により60歳からの繰り上げ受給を選ぶことができます。

しかし、繰り上げ受給の期間が長いほど、年金受給額は減額となります。60歳から受給すると、受給額が本来の70%程度にまで下がってしまいます。長生きすればするほど、「繰り上げ受給しなければよかった」と後悔するかもしれません。

早期退職する場合の注意点

以上を踏まえたうえで、早期退職する場合には以下の3つに注意しましょう。

自分の総資産を把握する

通帳をかき集め、預金を合算して自分の総資産を把握しておきましょう。有価証券類や、自宅以外の不動産を所有している人は、その価値についても知っておきます。不動産は賃貸などで活用したり、余剰であれば売却したりできないかを検討するのが大事です。

今後、どこに住むかを夫婦間などで話し合っておく

シニアの生活の中でも、突発的かつ大きな出費になりがちなのが、住まいのための出費です。今後も持ち家にずっと住む人であれば修繕費やリフォーム費用を、賃貸の人なら更新料や引っ越し費用を、高齢者住宅への住み替えを希望するなら入居一時金といった費用を持っておく必要があります。

早期退職金を正確に把握する

早期退職においてはどのくらい退職金がもらえるのかを、総務部等に直接問い合わせることで正確に把握しておきましょう。もしかしたら、思ったよりももらえないということになるかもしれません。それではこれからの計画が狂ってしまいます。

早期退職するための準備

早期退職のためには、以下の3つの準備を、順序だてて行いましょう。

1. 90歳程度までの必要資金をシミュレーションする

年金がもらえるまでと、年金収入を得てからでは、必要資金が全く違ってきます。一度、90歳程度までの必要資金を細かくシミュレーションし、実際にいくら必要なのかをきちんと把握しましょう。ファイナンシャルプランナーなどプロの手を借りるのもおすすめです。

2. 資金調達法を検討・実行する

自分の総資産が、シミュレーションで出した金額に満たない場合は、足りない分の資金調達法を検討しましょう。NISA、iDeCoといった節税しながら投資もできる積み立ての仕組みを活用する、リバースモーゲージやリースバックなどの不動産活用型の資金調達を行うといった方法があります。

  • NISAで節税しながら資産を増やす

NISAは、毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になる制度です。通常、株式や投資信託などを行うと、利益には約20%の税金がかかりますが、NISAなら儲けがそのまま懐に入ります。コツコツ資金を増やしたい人におすすめです。

  • iDeCoで老後の資金をしっかり確保

iDeCoは「個人型確定拠出年金」の略称で、自分で老後のための積み立てを行う個人年金のなかでも、掛け金や運用益、給付を受け取るときに税制上の優遇措置が講じられている制度です。年金にプラスして現金を受け取りたいと考えたときには、さまざまな商品が用意されていますが、節税効果のあるこのiDeCoが有力候補といえます。

  • リバースモーゲージで住み慣れた家にずっと暮らす

リバースモーゲージは、50代後半から利用できる資金調達の仕組みです。自宅を担保としながら借り入れを行い、元金は自分の死後、相続人が自宅を売却するなどの方法で返済します。月々の返済は利息のみなので、軽い負担で安心の老後が手に入ります。

  • リースバックでまずはまとまったお金を確保

リースバックは、自宅を売却しながらも、家賃を支払うことで家に住み続けられる仕組みで、生活を変えずにまとまったお金を得られます。しばらく住み慣れた我が家に暮らしながら、じっくり老後の居住先を決めるのに最適です。また、家を売却したことを周囲に知られずに済みますし、自分たちが住み続けていれば、自ら、あるいは子世代による買戻しも可能です。

3. 自分の市場価値や新規事業の勝算について知っておく

再就職を検討しているなら、早期退職を決める前に転職エージェント等に相談し、自分の市場価値を知っておきましょう。想定される年収が少なすぎて驚くという話も少なくありません。また、事業を始めようとしている人は、業界について詳しく知り、勝算を知っておきます。「退職を早まった」と後悔しないよう、退職後、成功するという手ごたえを得ることが大事です。

まとめ

早期退職を検討する際には、退職してからの人生設計について明確に描いておくことが大事です。再就職か、独立か、はたまた一足先に悠々自適の生活を送るのか。いずれにせよ、資金の正確な把握が大事になります。配偶者の人生を背負っている人はとくに、夫婦でよく話し合いましょう。

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