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高齢者の貧困率は?他人事ではない高齢者世帯の問題や課題と支援などを解説

2021年10月7日


高齢者の貧困率は年々上昇しています。シニア世代になる前に、人生100年のマネープランを考えることなく「老後は年金があるから大丈夫」「働かず、悠々自適に」と楽観視するだけでは、貧困にあえぐ老後が待ち構えているといっていいでしょう。高齢者の貧困の問題は、他人事ではありません。高齢者の貧困率や高齢者世帯の問題点、課題点、国の支援などについて解説します。自分や親が貧困に陥らないよう、対策しておきましょう。

高齢者世帯の貧困率

高齢者世帯の貧困率は、年々上昇しています。生活保護を受ける高齢者の人数や高齢者の貯蓄額など、公的な数字を参照しながら解説します。

高齢者の生活保護被保護者は増加の一途をたどる

厚生労働省「被保護者調査(2019年度確定値)」によると、生活保護を受けている人のうち55.1%が高齢者世帯であり、その数はおよそ89万世帯です。2000年には約33万世帯だったのが、2015年に80万世帯を突破。それからわずか4年でさらに9万世帯ほどが貧困に陥ったことが数字でわかり、高齢者の貧困率は、飛躍的に上昇しています。

年収150万円以下の高齢者世帯は23.5%

生活保護を受けていなければ貧困でないかというと、そういうわけでもありません。「令和2年版高齢社会白書」によると、高齢者世帯の所得階層別分布は150万円から200万円未満が最も多く、年収150万円以下に絞ると23.5%もいます。

生活保護の受給額は世帯属性や自治体によっても違ってきますが、例えば千葉市の生活扶助金額の参考値は、高齢者夫婦世帯(68歳、65歳)で一ヶ月につき11万9,620円(令和2年10月~) 。年間にすれば143万5,440円です。生活保護水準か、あるいはそれよりも少ない金額の収入で暮らしている高齢者世帯が、23.5%もいるということになります。

貯蓄額が300万円未満の高齢者が15.4%

「高齢者になれば収入が少なくなるのは分かり切っている」「たくさん貯金して、それを切り崩して生活しているのでは」と考える人もいるでしょう。しかし、「2020年家計調査報告(貯蓄・負債編)」によれば、二人以上の世帯のうち世帯主が65歳以上の世帯で、貯蓄現在高が300万円未満と答えたのは15.4%です。

先ほどの生活保護受給額の例(年間143万5,440円)を、「高齢夫婦二人が1年間ギリギリ生活できる金額」と捉えれば、300万円の貯蓄は、収入がなければ2年間で消えてしまいます。以上のように、高齢者世帯の貧困率は、さまざまな数値でみるほど深刻です。

高齢者世帯が抱える貧困問題と課題

なぜ高齢者世帯が貧困に陥っているのでしょうか。高齢者世帯が抱える問題と課題は、以下の通りです。

子世代の援助が難しい

以前であれば子世代と同居することで家の維持費や生活費における負担額を減らし、収入がなくても貧困には陥らずに済みました。しかし時代とともに世帯分離が進み、子世代との同居は難しくなってきています。

また昔は別居の場合でも「子どもからの仕送りがある」というパターンがありましたが、今は子世代も暮らし向きがよくないため、仕送りへの期待もあまりできません。このように、子世代から親世代への援助ができなくなってきたことが、高齢者貧困の一因に挙げられます。

一人世帯の貧困が目立つ

高齢者の生活保護受給世帯のうち、ほとんどが単身世帯です。生涯単身者だった人や、離別、死別などで1人暮らしとなる高齢者は、貧困に陥る可能性が高くなることが示唆されます。そこからは、同居家族がいないことによる生活費負担の増加や、一人分の年金収入だけでは生活ができない状況がみてとれます。

超高齢社会で長生き「できてしまう」

日本人は男女ともに平均寿命が80歳を超える長寿社会を迎えています。子世代の援助がないまま、貯金を切り崩して生活しているシニアが長生き「できてしまう」と、いずれ生活は破綻します。

加齢、病気で働けなくなる

今のシニアは健康で、定年を迎えた後もパートやアルバイトで働いている人も少なくありません。しかし、加齢や病気により、やがては働けなくなる可能性もあります。貯金していない状態であれば、働けなくなったときから貧困に陥ってしまうのです。

貧困の高齢者世帯への支援

貧困の高齢者世帯への支援については、主に以下の2つが大きく展開されています。

生活困窮者自立支援制度

平成27年4月から始まった支援制度で、生活全般にわたる困りごとを相談できます。各自治体の福祉協議会などが窓口となり、高齢者に限らず働きたくても働けない人、住む場所がない人などを自立へ導くための支援プランを作成しています。

一人ひとりの家計状況に寄り添い、世帯ごとの具体的な支援プランを作成してくれるのが魅力です。また、切羽詰まった状況には住居確保給付金の支給を行ったり、さまざまな特例貸付制度を紹介してくれたりします。「生活保護の一歩手前にいる人の自立を支えたい」という狙いから始まった制度なので、自分や家族がまさにそのような状況にいると感じている人は、まず電話してみましょう。
参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000073432.html

地域包括ケアシステム

団塊世代が75歳以上となる2025年に向けて、「高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを最後まで続けられる地域の包括的な支援・サービス提供体制」の構築が推進されています。各自治体に「地域包括支援センター」が次々と設置され、高齢者が要介護状態になる前から心身の不安や困りごとなどを相談できる場として機能しつつあります。

要介護状態になると、働けなくなることや介護費の負担からより貧困に陥りやすくなります。各センターには、ケアマネージャーや保健師など、介護・福祉・医療分野の専門家が集まっているため、加齢による健康の不安はひとまずここへ相談してみるのがいいでしょう。

高齢者で貧困にならないためには

高齢者で貧困にならないためには、本人側、子ども側がそれぞれ以下のようなことを考え、実行しましょう。

本人は活用できる資産を洗い出し、健康を維持

すでにシニアとなり、貧困になりそうと感じている人は、自分の資産を洗い出してみましょう。とくに不動産がある人は、賃貸や売却などきちんと活用すれば、まとまった資金が手に入る可能性があります。

「不動産は、今住んでいる持ち家しかない」という人は、自宅に住みながら資金を調達できるリバースモーゲージやリースバックを検討しましょう。リバースモーゲージは、自宅を担保にして借り入れを行い、毎月利息だけの返済を行い、元金は自分の死後相続人が家を売却するなどして返済する仕組みです。リースバックは、自宅を売却した後も家賃を支払うことで住み慣れた我が家にいられる仕組みです。

なお、病気が貧困を呼ぶため、今から健康をなるべく維持するのが大事です。「節約生活を」と頑張りすぎて食生活を貧しくすると、不健康になりかえって貧困に近づきます。

子ども側は支援情報をキャッチし、自らもマネープランを

子世代は本人を見守ると同時に、常に新しい情報をキャッチし、支援の取組等に敏感になっておきましょう。お金での支援ができないなら、せめて情報を与えることで支援とするのです。

また、自分も高齢者の貧困に陥らないため、定年後のマネープランをしっかり立てておくのも大事になります。お金の面で親をサポートし続けるあまり、共倒れになってしまうのが、一番避けたいことです。

まとめ

今の日本は、超高齢化社会を迎えたうえ、一世帯の人数も少ないため、高齢者が貧困に陥りやすい状況にあります。本来、長寿はめでたいもの。高齢者になっても生活に不安を抱くことなく、ゆとりある生活を送れるよう、マネープランをしっかり作成し、支援情報もキャッチしながら老後に備えましょう。

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