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定年退職後の確定申告は必要?損しないために知っておくべき還付申告も解説

2021年10月7日

会社勤めを長く続けてきた人の中には、確定申告をしたことがないという人も多いですよね。しかし、定年退職したら、確定申告をすべきかどうか一度検討してみたほうが良いでしょう。会社側で年末調整が終わっていない場合には、確定申告をしないままだと税金を多くとられてしまう可能性があるためです。退職金を受けたのに、申告書を書かないケースも同様です。定年後、損しないために知っておくべき還付申告について解説します。

定年退職後の確定申告が必要な場合

定年退職後、確定申告が必要なケースは、以下の3つです。

年末調整を受けていない給与がある

会社は毎月、あなたの給与から税金を天引きし、12月末で締めた後に年末調整を行って、納めされた税金を計算してくれます。納めすぎた税金は還付金として還ってくるため、毎年「こんなに還ってくるなんてラッキー」と感じていた人もいるかもしれません。

つまり、年末調整を終えていないぶんの給与額については、自分で確定申告を行わないと、税金を納めすぎたままになってしまいます。例えば今年の10月に退職した場合、前の年の12月末までは年末調整により税金を正確に納付していますが、1月から10月までの分は調整が行われていません。実際の納付額を計算し、確定申告を行えば、納めすぎた分が戻ってくる可能性が高いです。

退職金をもらったのに、受給申告書を提出していない

定年後の大事な生活資金であることが配慮されるため、退職金にかかる税金は優遇されています。「退職所得の受給に関する申告書」を会社側に提出することで、高額の所得税から免れることができ、また退職金のおかげで所得が大きくなっても、市民税など他の税金額に影響しないよう設計されています。

しかし、申告書を提出し忘れてしまうと、この優遇措置は使えません。退職所得ではなく収入の一部とみなされれば、20%を超える所得税が課せられてしまいます。退職金は額が大きいので、知らずに放置していると、課税額にビックリ!という結果になってしまいます。確定申告を行い、精算する必要があります。

医療費控除、ふるさと納税などで税金還付の可能性がある

これは定年後に限りませんが、各種控除を受けたい場合は、確定申告の必要があります。具体的には、以下のようなケースです。

  • 医療費控除を受けたいとき
  • 保険料控除を受けたいとき
  • ふるさと納税など寄付を行い、寄付金控除を受けたいとき

退職金に関して定年退職前にするべきこと

前項で解説した退職金の申告である「退職所得の受給に関する申告書」は、会社側から提出するように促されることが多いです。しかし、そうではない場合もあります。定年退職前に、きちんと申告書をもらい、記入ご提出しておきましょう。さもないと、退職後も手続きのために会社へ行ったり、資料を郵送してもらったりという手間が生じてしまいます。

また、退職金の受け取り方を決めておくのも大事です。退職金の受け取り方には、退職時にまとまった金額を受け取る「一時金型」と、年金の形で何年かにわたって受け取る「年金型」、一時金型と年金型の「混合型」があります。一時金型は、税制的に優遇されていますが、年金型は、受取総額が多くなる可能性が高いです。どちらが良いか検討しましょう。

定年退職後の還付申告について

確定申告の提出義務がない人が確定申告をすることで、納めすぎの所得税の還付を受けられることを、還付申告といいます。定年退職となった後、確定申告をする必要がなくても、還付申告をすることで納めすぎた税金が還ってくる可能性があります。

まずは定年後でも確定申告が必要なラインを知っておく

年間所得の状況が以下の2つのいずれかであれば、定年後であっても確定申告が必要です。

  • 公的年金などの収入金額(2ヶ所以上ある場合は合計額)が400万円を超える
  • 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円を超える

したがって、定年前の所得が大きかったなどの理由で収入金額が400万円を超える人や、事業をしていて年金等の他に20万円を超える所得がある人は、還付か否かにかかわらず確定申告が必要です。

次のようなときは還付申告をする

年間収入が確定申告の必要なラインを超えなくても、次のようなときには還付申告を検討しましょう。

  • 病気になり医療費が高くついた

高齢者は大きな病気になりやすく、とくに入院を伴うような大病をしたときは医療費が多くかかります。1年間、きちんと医療費の領収書を集めておき、合計額を計算して医療費控除の対象にならないかみてみましょう。対象額は、保険金等で補填される金額や総所得金額で違います。

参考:No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)(国税庁)

  • 省エネ、バリアフリー改修工事をしたとき

住宅ローン等を利用して、バリアフリーや省エネのための改修工事を行うと、特定増改築等住宅借入金等特別控除を受けられます。工事費用の額や改修方法に縛りがあるため、注意が必要です。

参考:No.1217 借入金を利用して省エネ改修工事をした場合(特定増改築等住宅借入金等特別控除)(国税庁)

  • 災害や盗難で資産に損害を受けたとき
  • 寄付を行ったとき(受取先に制限あり)

定年退職後のお金回りの注意点

定年退職後は、確定申告以外でもお金まわりで注意したいことがあります。主に、以下の3つです。

退職金を全て株につぎ込むのだけはやめたい

退職金として大きな額を目にした人がやってしまいがちなのが、「退職金を元手にお金を大きく増やそう」と、株など投資に大金をつぎ込んでしまうことです。老後のお金に大きな不安を抱えている人こそ陥りがちなのですが、もし投資初心者だった場合、最初から大金をつぎ込めば大やけどするのは目に見えています。最悪の場合、大事な老後資金の大部分を失いかねません。

投資で資金を増やすのは大事ですが、確実に、安全にお金を増やすためにやるべきなのは「コツコツ投資」。プロにお任せの投資信託から始め、自力で冒険投資をするなら、まずは投資で得た利益分の運用から始めましょう。

将来どこに住むかをきちんと設計し、そのためのお金を確保

人生に渡って、最も大きな出費となりうるのが住居費です。「マイホームのローンは支払い終えているから安心」と考えていても、築後15年も経てばどこかに修繕の必要が生じてきます。将来を考えてバリアフリーへ改修する人もいます。

また、持ち家があったとしても、高齢者住宅へ住みかえを考える人もいますし、賃貸派であれば賃貸契約が難しくなる年齢になる前に「終の棲家」を見つける必要があります。住居にかかる費用は、生活費とは別にまとまった金額を確保しておきましょう。

税金について知り、年ごとに備えを

会社勤めの長かった人は、給与から自動的に税金が天引きされていたため、税金の存在を身近に知ることなく過ごしてきたといえます。しかし定年後は、さまざまな税や保険の徴収書が自宅に郵送され、その費用を目の当たりにすることとなります。

とくに市区町村民税と国民健康保険料は、所得が高いほど納める料金が高額になるため、定年直後の1年間は所得に対してかなり高い金額を納めなければならなくなります。そこで生活に不安を覚える人も少なくありません。しかし、公的年金しかもらわないなどで次の年の所得が低ければ、税金や保険料はぐっと安くなります。

定年後は、このように所得によって毎年変わる税金や保険と直接付き合っていくことになります。「アルバイトを始めたら収入は増えたけれど、税負担は重くなった」とボヤくことのないように、所得の大きい年はしっかり貯金をして備えるなど対策していきましょう。

まとめ

以上、定年退職後の確定申告について解説しました。定年を迎えて初めて、確定申告をすることになる人も少なくありません。税負担を少しでも軽くして、老後の生活を安心して暮らせるように、しっかり調べて還付申告を行いましょう。

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