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遺産を相続する相続順位と法定相続分に関してわかりやすく解説

2021年3月16日 (2021年5月10日更新)

民法で定められている法定相続人の範囲は決まっており、法律通りに相続を行おうとする場合、相続順位が厳密に決まっています。例えば亡くなった人に子供がいる場合は、亡くなった人の兄弟姉妹は法定相続人になりません。また、亡くなった人の子供がすでにいなくても、孫が代襲相続を行います。相続の優先順位と、相続できる金額の割合を、具体的な例を交えて解説します。

相続順位とは

相続順位とは、民法で定められた、法定相続人になれる順位のことです。上の順位の人がいる場合は、下の順位の人は、法定相続人になれません。上の順位の人が全ていなくなって初めて、下の順位の人に相続権が移ります。

この相続順位に、配偶者は入っていません。配偶者はいついかなるときであっても相続人となるため、順位を決める必要はないのです。配偶者の他に第一順位の人がいれば、配偶者と第一順位の人が法定相続人になります。第一順位の人が誰もいなければ、配偶者と、第二順位の人が法定相続人になります。

遺産を相続する順位

いつでも相続人となる配偶者を除くと、順位としては次の通りです。

第1順位は亡くなった人の直系卑属

直系卑属とは、亡くなった人の子どもや孫、ひ孫など、家系図において直接つながっていく下の世代のことです。子どもがすでに亡くなっている場合は孫が、孫が亡くなっている場合はひ孫が法定相続人となります。

生きている世代のうち、より近い世代を優先するため、子どもが生きている間は、孫が法定相続人になることはありません。また、養子も実施と変わりなく法定相続人になれます。

例えば、亡くなった人に妻と2人の子がいる場合は、妻と2人の子どもが法定相続人となり、他の親族らは法定相続人にはなりません。2人の子どものうち1人がすでに亡くなっていて、孫が生きている場合には、妻と生きている方の子ども、そして亡くなった子どもの子(孫)が法定相続人になります。

第2順位は亡くなった人の直系尊属

直系尊属とは、亡くなった人の父母や祖父母など、家系図において直接つながっていく上の世代のことを指します。生きている世代のうち、より近い世代を優先するため、父母が生きている間は、祖父母が法定相続人になることはありません。

例えば、亡くなった人に妻も子もなく、両親が存命の場合は、両親が法定相続人となります。

第3順位は亡くなった人の兄弟姉妹

亡くなった人に、配偶者や子ども、孫がおらず、親や祖父母もすでにいない場合は、兄弟姉妹が法定相続人になります。兄弟姉妹がすでにいない場合は、兄弟姉妹の子どもが法定相続人になります。

相続順位ごとの権利

相続順位ごとの権利は、配偶者がいるかどうかで違ってきます。順に解説します。

第1順位は遺産の2分の1または全額を人数で分ける

配偶者と第一順位の人がいる場合、配偶者の権利は遺産の1/2です。残りの1/2を、第一順位の人の人数で分けることになります。配偶者がいて、子どもが2人の場合、それぞれの子どもの権利は1/4ずつとなります。子どもが3人なら1/6です。

配偶者が折らず、第一順位の人だけの場合は、遺産の全額を第一順位の人たちが均等に分けます。

第2順位は遺産の3分の1または全額を人数で分ける

配偶者と第2順位の人が法定相続人となる場合、配偶者の権利は遺産の2/3です。残りの1/3を、第2順位の人たちが均等に分けます。配偶者がいない場合は、遺産の全額が第2順位の人のものになります。

第3順位は遺産の4分の1または全額を人数で分ける

配偶者と第3順位の人がいる場合、配偶者の権利は遺産の3/4です。残りの1/4を、第3順位の人たちが均等に分けます。配偶者がいない場合は、遺産の全額を第3順位の人たちで均等に分けます。

具体的な法定相続人と相続分

ここからは、具体的な法定相続人と相続分に関して、ケース別に解説します。

亡くなった人に配偶者がいて、子どもが4人いた場合

配偶者の権利は遺産の1/2、4人の子どもは残りの1/2を4等分して分けるので、子供らは1/8ずつが法定分となります。

亡くなった人に配偶者がいて、連れ子と実子がいた場合

配偶者の権利は遺産の1/2、実子の権利が残りの1/2です。配偶者の連れ子は法律上の親子関係にないため、法定相続人になりません。配偶者の連れ子を法定相続人にしたい場合は、生前に養子縁組を行っておきます。

亡くなった人の配偶者がおらず、2人の子どものうち1人だけが生きていて、すでに死亡した子どもに子(亡くなった人から見て孫)がいる場合

存命中の子ども1人と、亡くなった子どもの子(孫)たちが法定相続人となり、遺産を分割して法定分とします。存命中の子ども1人が遺産の1/2を、亡くなった子どもの子(孫)たちが残りの1/2を人数分で分割します。

亡くなった人の配偶者がおらず、実子と養子がいた場合

養子も実子と同じように相続できるため、遺産の全額を養子と実子で均等分割した金額が、法定分となります。

亡くなった人が結婚しておらず、内縁の妻(夫)がいた場合

内縁者は法律上の配偶者ではないため、法定相続人にはなりません。亡くなった人に子がいなければ、相続権は第2順位以降に移ります。内縁者への相続の意志を示したい場合は、遺言書を作成することになります。

亡くなった人に内縁の妻(夫)と、内縁者との間の子どもがいた場合

内縁者は法定相続人になりませんが、亡くなった人との間に子どもがおり、認知されていれば、実子として法定相続人になります。その子だけが亡くなった人の子どもであれば、遺産の100%が法定相続分になります。

亡くなった人の子どものうちの一人が行方不明の場合

亡くなった人の子どもの中に行方不明者がいる場合、相続が滞ってしまいます。「失踪宣告」を出せば、行方不明者を死亡したものとみなすことができます。行方不明の人に子どもがいる場合、代襲相続としてその子が法定相続分を引き継ぐことになります。

亡くなった人の配偶者と子どもが全員相続放棄をした場合

亡くなった人に借金があるなどして、配偶者と子どもの全員が相続放棄をしたら、代襲相続として孫たちに相続権が移ります。孫たちも相続放棄をしたら、第2順位の人たちに相続権が移ります。

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亡くなった人の子どものうちの一人が、自分に有利なように遺言書を書かせた場合

遺言書を脅迫によって書かせたり、改ざんしたりした人は、「相続欠格」となり、相続権を失います。相続欠格となった子どもに、子(亡くなった人からみれば孫)がいる場合は、孫に相続権が移ります。

亡くなった人に身寄りが全くない場合

身寄りが全くいない場合は、まわりの誰かが何の手続きもしないとしたら、財産は国庫に移ります。「亡くなった人にお金を貸している」「遠い親戚だから相続人ではないけれど、お世話になっていたから財産を整理してあげたい」といった人が家庭裁判所に申し立てると、一定の調査を経て債権者にお金が戻ったり、特別縁故者に財産が分与されたりします。特別縁故者とは、亡くなった人と同一生計にあり、療養看護に努めた人のほか、特別の縁故があった人です。

遺言書を作成する場合は法定相続分を考慮しよう

以上のように、遺言書がなければ、残された人は複雑な法定相続分を計算しながら、遺産分割協議をすすめることになります。自分亡き後、遺産をスムーズに分け合うためには、遺言書の作成が必要です。

ただし、相続人の一人に全ての遺産を譲るなど、偏った遺言書にしてしまうと、法定相続人らが遺留分を求めて争うことになりかねません。遺留分とは、法定相続分のうち、最低限保証されている金額のことです。

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遺言書を作成するときは、配偶者や子どもらそれぞれの法定相続分を知り、参考にしましょう。また、生前に、子どものうち一人にだけ住居購入費を与えるなど偏った贈与をしている場合は、そのぶんを考慮して遺言書を作成するのも、もめごとを作らない工夫です。

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