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遺産の相続の割合とは?相続順位や法定相続分の計算方法をわかりやく解説

2021年3月29日 (2021年5月10日更新)

親などから残された遺産の相続は、どのような割合で分けるのでしょうか。遺言がなく、法律にのっとって分けるのであれば、法定相続分に従うことになります。それ以外の方法を取りたい場合は、遺産分割協議によって決めることになります。この記事では、相続順位や、法定相続分の計算方法をわかりやすく解説します。また最後に、遺留分や遺産分割協議についてもご紹介します。

遺産の相続割合の決め方

遺産の相続割合は、法律によって定められています。また、相続を受ける法定相続人についても、順位が定められています。被相続人による遺言が残されていない場合は、法定相続分と相続順位をベースに相続を進めることになります。ほか、遺産分割協議によって相続の割合を決めるケースもあります。ここでは、法が定める相続順位と、法定相続分について解説します。

相続順位とは

相続順位とは、民法が定める相続人の範囲に、順番を割り振ったものです。第1順位の人が存命であれば、第2順位の人は法定相続人になりえません。第1順位の人も、第2順位の人もいないときだけ、第3順位の人が相続人になります。

【相続人の範囲】

  • 前提  :亡くなった人の配偶者は必ず相続人になります。
  • 第1順位:亡くなった人の子ども。その子どもがすでに亡くなっているときは、子どもの直系卑属(子どもや孫など)
  • 第2順位:亡くなった人の直系尊属。父母か、父母がいなければ祖父母
  • 第3順位:亡くなった人の兄弟姉妹。兄弟姉妹がすでに亡くなっているときは、その子ども

遺産を相続する相続順位と法定相続分に関してわかりやすく解説

法定相続分とは

法定相続分とは、相続人の範囲によって決められたそれぞれの法定相続人に、どんな割合で遺産が相続されるのかを定めたものです。法定相続分は、相続人の構成によって変わります。この法定相続分は、遺言がなかったり、相続人の間で遺産分割の合意ができなかったときなどのための方法です。法で定められているからといって、必ずしもその通りにしなければならないわけではありません。

【法定相続分】

  • 配偶者と子どもが相続人のとき
    配偶者1/2、子ども(複数の場合は全員で)1/2
  • 配偶者と直系尊属(父母や祖父母)が相続人のとき
    配偶者2/3、直系尊属(複数の場合は全員で)1/3
  • 配偶者と兄弟姉妹が相続人のとき
    配偶者3/4、兄弟姉妹(複数の場合は全員で)1/4

相続割合の計算方法

具体的なケースのもと、法定相続分にのっとった相続割合を計算します。遺産額は、ケースごとの比較のためにも、全て6,000万円とします。

父親が亡くなり、母親と子ども2人が相続する場合

配偶者と子どもが相続人のとき、法定相続分は配偶者1/2、子ども(複数の場合は全員で)1/2です。母親の相続分は3,000万円、子どもの相続分はそれぞれ1,500万円となります。

母親が亡くなり、父はすでに他界し、子ども2人が相続する場合

被相続人の配偶者はすでにいないため、子ども2人が均等に分けます。それぞれ、3,000万円ずつ相続します。

父親が亡くなり、母親とその子がすでに亡くなっており、孫1人が相続する場合

故人の子がすでに亡くなっていれば、孫に相続権が移ります。故人の兄弟や両親が生きていたとしても、直系卑属である孫が法定相続人となります。この場合は1人の孫が6,000万円全てを相続します。

亡くなった人に配偶者はいるが子はなく、両親が存命の場合

配偶者はいつでも相続人となりますが、子どもなど直系卑属が存在しない場合は、全ての遺産を引き継ぐわけではありません。両親が生きていれば、法定相続人となります。配偶者2/3、直系尊属(複数の場合は全員で)1/3が法定相続分のため、配偶者が4,000万円を、両親がそれぞれ1,000万円ずつ相続します。

亡くなった人に配偶者も子もなく、両親もすでにおらず、弟がいる場合

配偶者がなく、第1順位、第2順位にあたる人も全ていないときは、故人の兄弟だけが法定相続人になります。弟が6,000万円全てを承継します。

遺留分と遺産分割協議とは

相続には、遺留分という考え方があります。遺言に「1人の相続人に全ての遺産を譲る」とあったなど、法定相続分から著しくかけ離れた相続となりそうな場合に、兄弟姉妹以外の法定相続人に認められる一定割合の遺産のことです。

また、遺言がない場合、通常は遺産分割協議をもって相続割合を決めることになります。

遺留分と遺産分割協議について、それぞれ解説します。

遺留分とは

遺留分とは、配偶者の他、直系卑属と直系尊属に認められる、一定割合の遺産のことです。最低限守られるべき遺産の取り分、と言い換えてもいいでしょう。兄弟姉妹には、遺留分がありません。また、配偶者や直系親族であっても、相続欠格者や相続放棄者、相続排除者については、遺留分が認められていません。

遺留分の割合は、以下の通りです。遺留分イコール法定相続分ではありません。誰が相続人になるかによって、割合が違ってきます。

【遺留分の例】

相続人

遺留分の割合(全体)

遺留分の割合(個人)

配偶者のみ

1/2

配偶者1/2

配偶者と子

1/2

配偶者1/4、子1/4

配偶者と兄弟姉妹

1/2

配偶者1/2、兄弟姉妹なし

子のみ

1/2

1/2

配偶者と父母

1/2

配偶者1/3、父母1/6

父母のみ

1/3

父母1/3

兄弟姉妹のみ

なし

なし

相続の遺留分とは?遺留分減殺請求や遺留分侵害額請求など制度の仕組みを解説

遺産分割協議とは

遺産分割協議とは、相続人となる人全員で、遺産をどう分割するかを協議することです。相続人全員の合意のもと、話し合った内容を遺産分割協議書にまとめます。そして、協議書に全員が署名・捺印します。

「協議なんてしなくても、家を相続した兄が財産を管理してくれればそれでいい」「お父さんの遺産は、お母さんに全て任せているから」といった考えの人もいるでしょう。しかし、遺言書がなく、法定相続通りの分割で場合、相続税の申告や、土地の名義を亡くなった人から相続人に変更する相続登記には、必ず遺産分割協議書が必要です。また、書面にしておくことで、後の思わぬトラブルも減らすことができます。

遺産の相続で気をつけること

遺産の相続で、割合を決めるときには、とくに以下の点に気をつけましょう。

被相続人の財産全てを、速やかに把握する

相続が発生したら、さまざまな手続きの期限までのカウントダウンが始まります。相続放棄の期限は3ヶ月、相続税申告の期限は10ヶ月、相続登記の期限は3年です。なるべく早く、被相続人の財産全てを把握しましょう。そして相続するか否かを検討しつつ、遺言書がない場合は速やかに遺産分割協議を開きます。

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遺言に不服があればなるべく早く申し立てる

遺言内容を確認し、自分の遺留分が侵害されていると感じたら、なるべく早く他の相続人に連絡しましょう。通常の話し合いではうまくいかない場合は、「遺留分侵害額請求」を行います。遺留分侵害請求とは、遺留分を侵害されたとき、侵害者に対して侵害額に相当する金額を請求することです。

遺留分侵害額請求は、相続開始および偏った相続が行われることを知った日から1年以内に請求しなければなりません。書式はとくに決まりがなく、請求の証拠を残すため、内容証明郵便で送ります。相手側が請求に応じなければ、家庭裁判所で調停を申し立てることが可能です。

内縁者は法定相続人にならない

亡くなった人の配偶者はいかなる場合でも法定相続人になりますが、戸籍上の配偶者ではない内縁者は、法定相続人にはなりません。内縁者が遺産を手にできるのは、遺言にその意向があったときか、遺産分割協議で他の法定相続人らが認めたときです。

法定相続人になれる養子の数は決まっている

養子は、実子がいなければ2人まで、実子がいるなら1人の範囲内で、法定相続人として数えられます。養子がたくさんいるのであれば、遺言書によって誰に何を残すのかを明記しておかなければなりません。

相続の割合は、法定相続分を参考に遺言か遺産分割協議で決めたい

相続の割合は、法定相続分として定められたものがありますが、絶対に法定相続分を守らなければならないというものではありません。例えば、「家があって、預貯金が少ない」という場合、複数いる相続人たちへ公平に分けるとなると、家を売却して現金化し、分割しなければならなくなります。しかし、「思い出の実家を手放したくない」「立地がいいので賃貸に出したい」「そもそも親と同居していた子どもが住んでいる」といった場合は、現金化は難しいでしょう。

よって、一般的には、法定相続分を参考に、遺留分が問題にならないよう遺言を作成するか、遺言がなければ遺産分割協議で相続人全員の合意を得ることになります。被相続人となる人が生きている間から、財産をどのように分割するべきかを身内で考えておくのが理想です。

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