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法定相続人がいない場合に財産はどうなる?手続き方法や注意点を解説

2021年10月7日

身寄りのない人などは「自分が亡くなったら、財産は誰が継ぐのだろう?」と疑問に思うのではないでしょうか。子どもや親、兄弟姉といった法定相続人がおらず、甥姪など代襲相続によっても相続人が不存在の場合、縁故者などがいなければ遺産は国庫に入ることになります。身寄りのない人は、遺言などによって、誰に何を相続させるかを明確にしておく必要があります。法定相続人がいない場合の手続きの流れ、注意点などについて解説します。

法定相続人がいない場合

まずは、法定相続人がいない場合とはどんなケースかを押さえておきましょう。

法定相続人第三位までの人物が全くいない場合

相続人の範囲は法律で定められており、これを法定相続人といいます。法定相続人は以下の通りですが、これらに当てはまる人物が全くいない場合は、法定相続人不在となります。

  • 亡くなった人の配偶者(順位に関わらず、常に相続人の一人となる)
  • 第一順位:亡くなった人の直系卑属(子、子がいない場合は孫、それもいない場合はひ孫)
  • 第二順位:亡くなった人の直系尊属(父母、父母がいない場合は祖父母)
  • 第三順位:亡くなった人の兄弟姉妹(兄弟姉妹がすでにいない場合は甥姪)

欠格者、排除者がおり、相続人となる人がいない場合

法定相続人は存命なものの、その人ら全てが相続欠格者、排除者であったときは、法定相続人がいなくなります。

相続欠格者とは、被相続人や自分以外の相続人を死亡させたり、死亡させようとして刑に処せられたりした者などです。遺言書を偽造した人物もそれにあたります。

相続における排除者とは、被相続人が生前に「この人は法定相続人ではあるが、遺産は相続させない」と家庭裁判所へ申し立てをし、相続権を失った人です。家庭内暴力をふるっていた子どもや重大事件の犯罪者など、被相続人に対して長期の苦痛や苦労をかけた人物からは、相続権を剥奪できます。

法定相続人全員が相続放棄を行った場合

被相続人に多額の負債があるなどして、法定相続人全員が相続放棄を行えば、法定相続人はいなくなります。

法定相続人がいない場合の財産

法定相続人がいない場合、考えられる財産の行方は、以下の3つです。

遺言により分与される

まずは故人の遺言がないかどうかが調べられます。遺言がある場合には、遺言通りに分与や寄付がなされます。

特別縁故者に配られる

特別縁故者とは、亡くなった人と同居していた人や、療養看護に努めた人などのことです。特別縁故者であると認められた人に、財産が分与されます。どのような手続きを踏むかは、次項で詳しく解説します。

国庫に入る

遺言によっても、特別縁故者によっても分与しきれなかった遺産や、財産をもらうべき人がいなかった場合には、国庫に入ることになります。

法定相続人がいない場合の手続き

法定相続人がいない場合には、以下のような手続きで遺産の行方が決まります。

相続財産管理人の専任

債権者や特別縁故者、不動産の共有者といった利害関係者や、検察官が家庭裁判所に申し立て、相続財産管理人が選任されます。相続財産管理人になるには、資格はありません。弁護士や司法書士などの第三者である専門家が選任されることもあります。

債権申立ての公告

相続財産管理人が、「故人の債権者や、遺産をもらうことになっていた人は、名乗り出てください」といった内容の公告を行います。この際、2ヶ月以上の期限を設定します。

ここで名乗り出る人がいれば、遺産から債権者等に財産が分与されます。ここで遺産がなくなれば、手続きは終了です。

相続人捜索の公告

さらに相続管理人は「故人の相続人は名乗り出てください」といった内容の公告を行います。期限は6ヶ月以上とします。

特別縁故者への財産分与

相続人捜索広告に反応がない場合は、相続人不存在が確定します。特別縁故者が家庭裁判所に申し立てをし、かつそれが認められることで財産分与が可能になります。このときの期限は、相続人不存在が確定してから3ヶ月以内です。

国庫への帰属

ここまでをもってしても財産が残るようであれば、相続財産管理人が遺産を国庫へ帰属させます。

法定相続人がいない場合の注意点

死後、自分の望むような財産分与がなされるよう、法定相続人がいない場合は次の点に注意しましょう。

遺言書を作成する

法定相続人のいない人こそ重要なのが、遺言書の作成です。内縁の配偶者、介護をしてくれる長男の妻など、生計を一にしているにもかかわらず法定相続人になりえない人のために、正式な遺言書を作成しておきましょう。

1人暮らしの人で、自分の遺産が国庫に入るのを寂しく思うようであれば、寄付をする団体を遺言で指定しておくのもいいでしょう。遺言書の内容がきちんと実行されるよう、成年後見人を選定しておくのも大事です。

債務処理を行っておく

住宅ローンや車のローンなどは、払えるときに払っておくのが正解です。また、新たなローン等を組まないよう気をつけましょう。

生前贈与を検討する

遺言書とあわせて、生前贈与を駆使するのもいい手です。生前贈与の場合、年間110万円までは非課税となります。気づいたときにお世話になっている人などへ生前贈与を行っておけば、行き先の定まらない遺産を減らすことが可能になります。

まとめ

法定相続人がいない場合、誰も遺産を受け取る人がいなければ、国庫に全て帰属することになります。また、特別縁故者が申し立てを行ってから遺産を手にするまで、1年ほどがかかってしまうことにもなります。

また「自分は独り身」と思っていても、思いがけず法定相続人がいるかもしれません。自分の法定相続人がいるかどうかを調べ、遺産が自分の思い描く通りに分与されるよう、しっかり遺言書を作成しておきましょう。

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