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リースバックでのトラブルとは?事例を元にデメリットや注意点から回避方法を解説

2021年6月30日


リースバックは、自宅を売却し、買主と賃貸借契約を結ぶことで、家賃を払ってそのまま住み慣れた我が家に暮らし続ける仕組みです。不動産を手放しても住環境が変わらないことは魅力的ですが、業者や契約によっては、トラブルが発生する恐れがあります。トラブル事例を紹介したうえでリースバックのデメリットを説明し、契約時の注意点やトラブルにならないための方法について解説します。

リースバックでトラブルになる場合

リースバックでは、具体的にどんな場合にトラブルになるのでしょうか。事例を3つ紹介します。

急に立ち退きを要求される

Aさん夫婦は、リースバックの契約をして、自宅を売却した

後も家賃を払ってわが家に住んでいました。しっかり家賃を支払い、買主と悪い関係にならないよう気をつけていたのに、ある日「この家のオーナーが変わります」という通知が。買主が、Aさんに無断で別の業者へ自宅を売ってしまったのです。

オーナーが変わってしばらく経つと、新しいオーナーから「家賃を引き上げさせてください」と、かなりの値上げを要求されました。「そのような家賃はとうてい払えない」と言うと、「では、3ヶ月以内に退去をお願いします」との立ち退き要求が。今後もわが家に住み続けられると思うからこそ、市場相場よりも安い売却額で手を打ってリースバック契約をしたAさん夫婦は、引っ越し費用が捻出できず困り果ててしまいました。

メンテナンス費の負担をどちらがするかで揉める

リースバック契約をしたわが家に住んでいたBさんは、雨漏りを見つけ、すぐに買主へ連絡。買主が紹介してくれた業者によって、雨漏りは無事修繕されました。しかし、後日、業者から直接Bさんに修繕費の請求書が送られてきました。

Bさんは「通常、賃貸では居住している人ではなく大家がメンテナンス費用を払うのでは?」と思い、買主に確認しました。すると「もとは自宅だったところの経年劣化なので、メンテナンス費用はBさんが支払ってください」という返答が。慌ててBさんが契約書を確認すると、修繕費に関する記述はありません。相場よりも高い家賃を、修繕費のぶんも上乗せされているからこその金額だろうと納得して支払ってきたのに…。あいまいなまま契約してしまったことを後悔するBさんでした。

買戻しができない

事業資金の捻出のためにリースバック契約をしたCさんは、事業が軌道に乗ってきたため、家の買戻しをしたいと考えて買主に打診しました。買主から「今お買戻しされると、この金額となります」と提示されたのは、売却額の1.3倍の金額。

売却額に少しだけ上乗せすれば買い戻せるだろうと考えていたCさんは、資金が足りず買戻しをあきらめることになりました。「いつか買い戻せると思うからこそ、市場相場よりも安い価格で売却したり、相場よりも高い家賃を支払ったりしていたのに。こんなことなら、通常の不動産売却にして、安いアパートに移ったほうが全体の支出が抑えられた」とうなだれるCさんでした。

リースバックのデメリット

以上の3つのトラブルは、どうして起こってしまったのでしょうか。トラブルにつながりやすい、リースバックの5つのデメリットを解説します。

所有権を手放す

自宅を売却するということは、自宅の所有権を手放すことです。つまり、売却後、自宅をどのように活用するかは買主の手にゆだねられます。家賃の支払いが滞ったり、買主との関係が悪化したりすると、立ち退きを命じられる可能性があります。
また、買主と良好な関係を保っていたとしても、転売によりオーナーが変わると、方針の変化により家賃を上げられたり、立ち退きを要求されたりすることがあります。

市場相場より売却額が安くなる

リースバックでは、売却額が市場相場の6割から8割となります。これは、「今後、家賃の不払いが発生する可能性がある」「退去後、転売したとしても、家の価値が落ちている可能性がある」など、買主にとってリスクが大きい取引だからです。

リースバックの利用者にとっては、売却額が安くても、今の住まいに続けて住めることや、いつかは買戻しができる可能性があるといったメリットがあるため、契約をします。よって立ち退きにあったり、買戻しが不可能になったりすると、「話が違う」とトラブルになってしまうのです。

市場相場より家賃が高くなる場合がある

リースバックの家賃は、市場の相場よりも高く設定されることがあります。これは、市場の相場よりも、物件の買取価格を基準にして家賃の計算をしているためです。また、競売となる一歩手前の任意売却と組み合わせたリースバックであるなど、買主にとってリスクの大きい取引の場合は、やはり家賃が高くなる傾向にあります。

物件の買取価格を基準にするということは、売主から見て売却額が高いほど家賃は高くなり、安く売るほど家賃も安くなるということです。この仕組みを理解していないと、「家賃が高いのは、以後の家の管理を全て買主がしてくれるからだ」などといった認識違いが起こりがちです。

通常の賃貸借とは契約内容が違う場合がある

トラブル事例にあるように、リースバックには、メンテナンスの費用負担が居住者側であるとされたり、基本的に2~3年間の定期借家契約だったりするなど、通常のアパート等の賃貸借とは違う面があります。契約時によく確認しないと、「修繕費はどっち持ち?」「2年経ったら退去を命じられたけど、従わなければ契約違反?」など、後に買主と揉めるもととなります。

売却額=買戻し額ではない

リースバックは、資金が用意できれば買戻しOKとしている会社が多くあります。しかし、売却したときの金額を用意できれば、買戻しができるわけではありません。リースバックの買戻し金額の相場は、売却額の1.1倍から1.3倍ほどです。買主が、不動産を買い取ったときに負担した不動産取得税や登記費用などの諸経費が上乗せされるためです。

なお、買戻しを行えば、再度登記を変更したり、売却益の金額により不動産取得税を支払ったりと、諸経費が掛かります。この経費分も見越したうえで買戻し額を用意しないと、自宅を取り戻すことは難しいでしょう。

リースバックのトラブルを避けるための注意点

相見積もりを取り、売却額と賃料のバランスが良い会社を選ぶ

リースバックのトラブルを避ける基本は、相見積もりを取ることです。同条件で相見積もりを取り、比較することで、自分の希望に沿った会社を選ぶことができます。
相見積もりを取ったら、「売却額が安いのはどれか」「賃料が安いのは?」と個別に見るのではなく、売却額と賃料のバランスに注目しましょう。契約後、2年間はわが家に住み続けるなどと仮定して、売却額から賃料総額を差し引いてみると比較がしやすいです。

また、自分の状況によっても、売却額と賃料のより良いバランスは違ってきます。自宅になるべく長くいたいなら賃料の安いほうが負担は少ないですし、早めに転居する予定であれば売却額を優先するのがいいでしょう。

買戻しの条件も検討材料に入れる

買戻しを予定している人は、単に売却額や賃料だけを見るのではなく、買戻しの条件も検討材料に入れましょう。さまざまな条件を掲げている会社があります。
買戻しの倍率は低ければ低いほど良いですが、売却額を高く掲げて「買戻し時は売却額と同じ金額でOK」としている会社と、売却額が低めで「買戻し時は売却額の1.3倍」としている会社では、どちらが買戻しのハードルが高いでしょうか。提示されている売却額を比較しなければ分かりません。

また、買戻しまでに支払った賃料の一部を買戻し額から差し引く意味で、売却額よりも買戻し額の方を低く設定している会社も見られます。どの条件が自分に合っているかを比較しましょう。

早期にメンテナンスが生じそうな箇所について調べておく

リースバック契約では、メンテナンス費を居住者の負担にしている場合も多いものです。家のメンテナンスについては、突然まとまった金額が必要になる恐れがあります。例えば屋根の修繕には50万円、100万円単位でお金が必要になることも。築年数がかなり経過しているなど、メンテナンスが不安な場合は、通常の売却も視野に入れていいかもしれません。

信頼できる会社を見極める

もしかしたら一番重要かもしれない項目です。「急に立ち退きを命じられる」「メンテナンス費で揉める」「買戻しができない」などのトラブルは、最初にリースバック会社側から十分な説明があったり、良好な関係を築けていたりすれば防げるものです。相見積もりを取り、数社に相談する中で、本当に信頼できる会社を見つけるのが大事でしょう。
また、万一リースバック会社が倒産してしまうと不動産の所有権が新しいオーナーに移り、突然の家賃の引き上げや立ち退きとなってしまう恐れがあります。経営状況も調べたうえでの信頼性を見極めましょう。

相続人の了解を得ておく

買戻しができない、退去を命じられたなどの理由で我が家を引き払わなければならなくなった際、子世代に内緒でリースバックの契約をしていると、「家を売るなんて聞いてないよ」「思い出の実家がなくなるなんて」と責められる可能性もあります。子世代と不仲になってしまわないよう、相続人の了解はきちんと得ておきましょう。

リースバックの契約時の気を付けること

賃貸借契約を結ぶときには契約条件をチェック

リースバックの多くは、2~3年ごとに契約を見直す「定期借家契約」です。定期借家契約であると説明されたら、数年後、どのような流れで再契約となるのか、家賃が上がる可能性はあるのか、契約が打ち切られるのはどのようなときかなどを確認しておきましょう。

また、家賃不払いや買主側の都合による退去の際には、どの程度の猶予を持ってもらえるのかの記載があるかを確認しておきます。そのうえで、できれば「第三者へ売却した後も現契約書の内容が守られる」といった記載を加えてもらえると安心です。

メンテナンス費の負担についても契約条項に入れておく

居住中のメンテナンス費や退去時の原状回復についてなど、あいまいになりがちな部分については話し合い、賃貸借契約書に明記しておきましょう。

買戻しのときの条件を契約書に記載する

売買契約書においては、買戻しのときの条件についても記載するようにしましょう。

まとめ

リースバックは、自宅を売っても住環境が変わることのない、安心感の高い取引です。しかし、契約時に注意しなければ、急に家を出なければならなくなるなどのトラブルが発生します。トラブルを防ぐため、安心して契約できる信頼性の高い会社を選びましょう。

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