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流動性のわな

トピックス2020年3月9日

給料日は皆が笑顔になる日です。
給料が入るとほとんど貨幣(普通預金)の形で保有し、いつでも使える状態にしておく人、定期預金にする人、株や債券に投資する人…色々なタイプがあります。
資産保有形態には様々あり、貨幣(預金)・債券・不動産など…それぞれ長所と短所があります。資産保有形態を選択する上で何を理由としているのか、考えることが大切です。

ここでは預金利子を0%、債券利子を1%と仮定します。
給料を使わずに節約して預金のままで保有すると利子は付きません(ゼロ金利)。債券の形で保有(貸付と同義)するほうが1%の利子が付くため得です。
それでも預金で保有することがあるのは、預金が債券よりも高い流動性(換金性)を持つからです。いつでも使える利便性、これを「流動性選好」と言います。
ここで利子を別の表現で言い換えますと、節約の対価ではなく流動性を手放す対価になります。すぐに使える預金の利便性を手放す代わりに、満期到来まで使えない債券を保有することで 1%の利子をもらうということです。

さて、利子率と債券価格の関係についてはご承知の通り、利子率が上がると債券価格は下がるという負の相関関係にあります。
低金利下の経済環境において、債券の形で資産を保有するのと、貨幣の形で資産を保有するのとどちらが有利でしょうか?一見、貨幣(預金)で持っていても利子はつかないのだから債券で 持っていた方が有利だと思われがちです。が、人間は不思議なもので資産が増える喜びよりも減る恐怖の方が勝ることが多くあります。
低金利下において、ほんの少しでも利子率が上昇すれば債券価格は下落するので、人々は貨幣の形で資産を保有しようとします。預金の形で資産を保有しようとするので「貯蓄から投資へ」の 流れが起きにくいのです。
具体的にいうとこのような式で表されます。

 ⊿i > i²   i:利子率

⊿iは利子率の変動幅であり、現行利子率の2乗以上、利子率が上昇すると、人々はもはや資産を債券の形で保有しなくなることを表わしています。
「流動性のわな」とはこうした経済環境を言います。

例えば10年もの長期国債の利回りが0.02%である場合、0.0004%(=0.022)とほんの少し上昇するだけで債券で保有するメリットは失われてしまいます。
反対に景気回復の結果、債券利子率が2%となった経済環境下においては、多少利子率が上昇しようが(22=4%)債券を所有するメリットは維持されます。このような経済環境下においては 「貯蓄から投資へ」の流れが起きやすく、資産運用市場も活性化します。
「流動性のわな」と利子率の関係を考えると、健全な経済成長に必要な利子率の適正水準とはなにかに思いをはせることができます。

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