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コロナショックへの対応策④ ~farsighted action(将来を見据えた行動)~

トピックス2020年4月22日

●コロナショックがもたらす「創造的破壊」
今回のコロナショックは、ヒト・モノの移動に制限をもたらすことで実体経済に悪影響を与えています。
コロナショックの収束がいつ頃になるのかは誰にも分かりませんが、今回の危機を通じて経済社会の構造や人々の生産・消費行動はガラリと変革するものと考えられています。
いわゆる「創造的破壊※」がコロナショック後の世界では起こると予想されます。

※創造的破壊
経済学者シュンペーターによって提唱された経済学用語の1つであり、経済発展というのは新たな効率的な方法が生み出されれば、それと同時に古い非効率的な方法は駆逐されていくという、一連の新陳代謝を指す。
例えば、長期に渡る外出自粛・行動制限により、停滞ムードの醸成や心理的なバイアス・ハードルが形成されます。家族や職場の仲間と話す際の距離や、外出時の心構え等に気を遣い、以前のような気楽さが無くなるかもしれません。
個人の心理や行動だけでなく、社会全体で見ると産業構造や働き方の変化も起こるかもしれません。こうした変化に柔軟に対応し「創造的破壊」による新しい価値を創り上げることができる企業が成長していく経済社会になるかもしれません。いずれにしてもコロナショック後の世界を見据えた行動を今のうちから始めておくことで、将来の変化に柔軟に対応できるものと考えます。

●コロナショックの社会的・経済的帰結
コロナショックによりもたらされる個人の行動や社会構造の変化として、次のようなことが想定されます。

コロナショックがもたらした問題 想定される変化
密集場所を避ける
(多くの人が密集している)
通勤時の満員電車を避けるため、在宅勤務・テレワークの推進。
コミュニケーションのオンライン・デジタル化。商談・打ち合わせ・学校授業等のオンライン化(ZOOM会議の活用等)。

密接場面を避ける
(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発生が行われる)

ソーシャル・ディスタンス(社会的距離の確保)への意識向上
密閉空間を避ける
(換気の悪い密閉空間である)
事務所の換気・通気性への意識。
5Sへの意識 5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)への意識向上。
手指・足元・喉うがい等清潔への意識。外出自粛のため在宅時間が長くなり、家事・清掃への取組増加。
相互扶助への意識 人命・生活への危機をもたらすウィルスへ人類が一丸となって取り組むことで芽生える
助け合い・思いやり意識の醸成。社会保障の充実。個人の自由や権利とのバランス調整が課題。
サプライチェーンの見直し グローバル化の進展により形成されたサプライチェーン供給網について危機発生時の脆弱性が露呈。生産拠点の国内回帰・移転が進む。特定エリアに供給ラインを依存することの地政学的・疫学的リスクについて、拠点の分散化・多様化で軽減。
知識・情報・技術・研究といった無形経営資源の効率的分配を実現する新たなサプライチェーンの構築。
キャッシュレス化 現金給付の課題や現金からの感染リスクも踏まえ、
キャッシュレス化へのスピードが向上。
外出自粛によるオンライン決済も増加し、電子マネー等普及促進。
金融機関の存在意義 信用を維持し、地域の金融を円滑にすることで国民経済の健全な成長と発展に資することが
金融機関の存在意義でもある。経済の血液である金融の流れを維持するため、危機時の対応には変化への柔軟な姿勢が求められる「晴れた日に傘を貸出し雨の日には寄り添う」。
個人情報 全国民への現金給付時に課題となる個人情報(口座情報・所得情報)の把握状況。
今後マイナンバーと口座情報・所得情報を紐づけ、税金捕捉率の向上も見据える。
産業構造 観光・飲食・小売業界の打撃を受け、事業の多角化・多様化のため別業界への進出が進む。
グループ・ホールディング企業の繋がり・強みを
活かし、互いの利益をリンクさせる取り組みが進む。

 

●変化への対応
3密を避けようとすると、物理的なコミュニケーション不足に陥りやすくなります。孤独を防ぎ、心身の健康を保つために、人との交流や助け合いが大切です。家族や友人と電話で話したり、SNSの活用が求められます。買い物や移動など困ったときに助けてくれる仲間を考えておくことも大切です。この点で国や政府のセーフティネット(家族・地域・行政で支えあう環境)の整備構築も待たれます。
企業活動については、在宅勤務・テレワークの推進に伴い、ペーパーレス化や電子印章の普及にも繋がります。テレビ会議の普及などコミュニケーションのオンライン化は、移動時間や交通費の削減による業務の効率性アップをもたらします。一方でアナログによる対面営業や対面会議の重要性が失われてはいけません。遠距離間でのテレビ会議では感じることができない、臨場感や雰囲気・相手の表情や言葉のニュアンス等、アナログなコミュニケーションでしかで創り上げられることができない信頼関係の積み重ねが、中長期的な企業価値の創造に繋がるからです。そもそも対面と非対面は優先劣後の関係にあるものではなく、両者の良い面をミックスアップしてコミュニケーションをとることが大切と考えます。
個人の消費・投資行動や企業の働き方、産業構造等に変革がもたらされた後でも、経済を支える金融システムの存在価値は変わりません。中央銀行からの緩和マネーを実体経済に還流させ、家計と企業の資金需要と資金供給の架け橋となるのは、金融機関にしかできないことだからです。
コロナショック後の社会・経済において、変わることと変えてはいけないことを私たちは想定し、今をしっかりと生きる必要があります。

 

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