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ニュースリリースnews release

リスク管理の考え方

トピックス2020年2月13日

私たちを取り巻く経営環境の変化は大きく、企業の将来を予測するにあたっては、IR等財務情報に加え、コーポレート・ガバナンスやリスク対応など非財務情報の重要性が高まっています。
リスクは、企業の中長期的な業績に悪影響を与える可能性があるため、想定されるリスクをしっかりと特定・把握・認識し、リスク管理と共に予め予防策等を講じておく必要があります。

●リスク管理の目的
リスク管理の目的は、計量化したリスクを許容し、統合的に管理し、コントロールすることで、リスクに見合った収益を上げることにあります。
計量・許容・管理したリスクに見合ったリターンが得られるならば、もしもの場合に対処できる自己資本を確保している以上、むしろリスクを受け入れることが金融機関の使命であるといえます。
そのためには、まずリスクを定義し、管理対象を特定することが必要です。リスク管理の第一歩はリスクの所在を認識することにあり、リスクを認識しないことが一番のリスクとも言えます。

●想定されるリスク
当社が想定するリスクには、例えば以下のようなリスクが挙げられます。

・自己資本管理…自己資本の充実度の評価、算定。自らのリスク特性に照らし、自己資本を十分かつ適切に管理する。
・信用リスク…与信先の財務状況の悪化等により、貸出債権の価値が減少し、損失を被るリスク。
・市場リスク…金利・為替・株価等市場の変動により、資産と負債の価値、及び資産と負債から生み出される収益が変動し損失を被るリスク。
・流動性リスク…運用と調達の期間のミスマッチや急な資金の流出により、必要な資金の確保が難しくなる、または通常より高い金利での資金調達が必要となるリスク等。
・オペレーショナルリスク…金融機関の業務処理の過程や、役職員の行動、システムの不備や外生的な事象により損失を被るリスク。
・システムリスク…コンピュータシステムのダウンまたは誤作動等、システムの不備、不正使用により損失を被るリスク。
・法令等遵守…信用が最大の財産ともいえる金融機関にとって法令等遵守は基本原則といえる。
・経営管理…業務の健全性を確保し、信用の維持と金融の円滑化を図るためには、適切な経営管理が求められる。
・顧客保護管理…顧客保護、利便性の向上のため、説明義務、相談・苦情等サポート、顧客情報管理等の徹底が求められる。
・災害リスク…自然災害の発生による事務所損傷及び崩壊等により、金融システムが破壊され取引履歴が消滅することで、業務ができなくなるリスク。
・外部犯罪リスク…外部犯罪の発生の際、責任部署や対処方法が明確でなく被害が拡大し、顧客への不利益や二次被害が発生してしまうリスク。
・社内不正リスク…内部通報制度が機能せず、不祥事件対応の適切な対応手順が守れず大きな問題に発展するリスク。
・社会環境変動リスク…少子高齢化による労働力人口減少、気候変動、海外経済変動リスク等。

●多種多様化するリスク
このように、企業経営はリスクの固まりであり、リスクも多種多様化しています。リスクが減らない理由や背景として次のようなことが考えられます。

・グローバル化とそれに伴う金融市場の拡大により、先行きの不透明感が増している。
・金融情報技術の発達に伴い、金融機関にとってビジネスチャンスは増加する一方、システム障害や情報漏洩など新たなリスクが発生する等、金融機関が抱えるリスクは多種多様化している。
・企業に対する経済的・社会的要請(コンプライアンス意識・社会課題や環境への配慮(ESG関連)等)の高まりにより、従来の利益追求のみでは投資家から評価されなくなっている。
・自然災害への対応
・組織における意思決定、ガバナンスの問題
これらの他にも様々な要因が複合的に重なり合うことで新たに発生するリスクを予め想定し、備えをしておかなければいけません。
まさに、「安きにありて危うきを思う。思えばすなわち備えあり。備えあれば患い無し。(春秋左子伝)」です。

●リスク感覚を鈍らせる要因
またリスク感覚を鈍らせる要因もいくつかあります。例えば、イソップ童話にある「オオカミ少年」の話が参考になります。
「オオカミ少年」の教訓は2つあります。1つは、ウソを繰り返しつくと人の信頼を失ってしまうという戒めです。2つ目は、ウソを繰り返しつかれたことにより、周りの大人たちのオオカミ襲来に対するリスク感覚 が鈍ってしまったという「慣れることのリスク」です。
「慣れる」ことはコミュニケーションや仕事の効率の向上に繋がりますが、同時にリスクの感覚を鈍らせることにも繋がります。企業活動の上では、人材流出リスクへの対応の意味でも、ジョブ・ローテーションや 部署異動を通じた人材の育成が大切です。
他にも、「今回は違う(This time is different)」「あの人がやってくれるはず」という思い込みや、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」「天災は忘れたころにやってくる」等、過去の教訓から学ぶことは多くあります。

●リスクと不確実性
ここではリスクと不確実性の違いについて説明します。
「リスク」も「不確実性」も不確定なことであることを説明する際に用いられますが、両者には違いがあります。
リスク …確率によって計量化できるもの
不確実性…確率によって計量化できないもの
リスクは計量化できるが故に、計量化したリスクを受け入れることができます。そのため意思決定の根拠も説得力を持つことができます。
一方で不確実性の下での意思決定について、「想定外を想定する」「人間の心理に起因する消費・投資行動の変動」等、理論的根拠は脆弱になりがちです。
巨大で複雑で不透明な要因に起因する不確実性の前では、より謙虚な姿勢が求められます。

●リスク管理態勢の構築
こうして特定したリスクについて、評価・モニタリングを行い、把握と監視を継続します。
そして把握したリスクを調査し、リスクの詳細や原因等を分析し、防止・抑制・削減策等を実施しなければいけません。
なにより重要なのは、リスク管理を行うインセンティブ(誘因)を持つことと、ガバナンスの強化です。そのためには一人一人の意識向上と組織的な管理態勢の強化が必要です。
いくらマニュアルを整備しても、最終的には一人ひとりの自覚に依存します。マニュアル疲れにならないよう、締め付けではなく、各自が意識を高めて、組織の品格を高めていかなければいけません。
組織の問題で言えば、「経営陣に意見が言えない」「見て見ぬふり」「本部と現場間・組織の内外の認識相違」等があげられます。
組織的な管理態勢の構築のためには、ガバナンスの強化・風通しの良い職場づくり・責任と権限の明確化・意思決定の見える化等が必要です。

●「愚者は経験に、賢者は歴史に学ぶ」
リスクや不確実性を考える上で、先ずは将来のことについて常に謙虚であることです。
そして広い視野を持ち、物事を大局的に考え、新たな「気づき」を大切にしなければいけません。
自らが経験したことだけを参考にせず、過去の歴史を振り返ることで、将来を見据えた現在を分析することができるはずです。

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