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海外経済の分析➀ 「ブレグジットとTPP」

トピックス2020年2月13日

※英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)旗「外務省ホームページから引用」https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/uk/index.html

 

 

ご承知のように、2020年1月31日をもって英国はEUから離脱しました。
ブレグジットの政治的・経済的評価には議論の余地はあります。しかし英国が、今後新しくEUに代わる自由貿易市場を構築しなければいけないことについては疑問の余地はありません。
そんな英国は今、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加に興味を持っているようです。
太平洋に面していない英国がなぜTPPに参加するのか、その理由は例えば次の3つが考えられます。

➀参加要件
TPPには実は地理的な参加要件はなく、環太平洋以外の国でも参加できます。

②経済協定と政治同盟の違い
TPPは経済連携協定であり、EUのような政治同盟ではないので、例えば「移民の受け入れ」等他国の政治政策などに影響されず、経済と政治を分けて取り組むことができます。

③ポンド経済ネットワーク圏の構築
英国の通貨であるポンドは、世界的に流通量も多く、通貨バスケットSDRの5大通貨でもあります。
英国はEU加盟国でありながら共通通貨ユーロは採用していませんでした。その理由は様々ですが、かつての大英帝国繁栄の象徴でもあるポンドへのこだわりは根強いものがあると考えられます。
TPP参加国のうち、オーストラリアとシンガポールはかつて英国の植民地でした。さらにシドニー、シンガポール、バンガロール、ドバイ、ロンドンを一直線に結ぶ「ユニオンジャックの矢」と呼ばれる 金融ネットワーク圏を、英国がTPPに参加することで、シナジー効果を生むことができます。

以上、ブレグジットとTPPを合わせて考えることで、自由貿易市場における金融・物流、通貨覇権を巡る国家間の政治的経済的な思惑等に頭を巡らせることができます。

 

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